2021年におけるEUV露光装置の出荷数量は48台と見られており、そのうちTSMCが22台、Samsung Electronicsが15台を確保したと韓国の中央日報が報じている。残りについては、DRAMへの適用を開始したSK Hynix、DRAMへのEUV適用を目指すMicron Technology、微細ロジックプロセスで巻き返しをはかるIntelなどが奪い合いを繰り広げている模様である。
韓国の証券会社の調査によると「2022年におけるASMLのEUV出荷台数は51台と予想され、このうちTSMCが22台、Samsung18台を確保している」という。そして残りをほかの半導体メーカーに出荷されることとなるが、ASMLの最高経営者(CEO)のPeter Wennink氏は「2022年には55台のEUV露光装置を出荷することを目指している」と公式コメントを出している。
なお、TSMCはEUV露光装置を2017年に2台、2018年に5台、2019年に13台、2020年に20台、そして2021年に22台の累計62台入手している模様である。一方のSamsungは、2017年に2台、2018年に3台、2019年に5台、2020年に8台、そして2021年に15台の累計33台となっている。2021年にSamsungの購入台数が大きく伸びているのは、2020年10月のSamsungトップのイ・ジェヨン副会長がASMLを訪問し、直接交渉にあたった結果であると韓国の半導体業界関係者は見ている。TSMC、Samsung以外にも、すでにSK HynixはDRAM量産にEUVを導入しているし、Micronも数年以内にEUVを用いたDRAM生産を開始する見通し。同社初のEUV量産機導入は広島工場ではないかとも噂されている。Intelも「Intel4」プロセスでの量産に大量のEUV露光装置を導入すると見られて必要としている。ASMLは、EUV露光装置の出荷台数を増やす努力をしているものの、一台200億円近くする精密機械であるため、徐々にしか増産できない。同じく露光装置のニコンやキヤノンは、開発段階で撤退してしまっており参入予定がないため、今後、ASML独占のEUV露光装置の奪い合いが先進半導体メーカー間で激化する見込みである。