iCAREは12月1日および2日に、働くひとのウェルビーイングにつながる道筋を探るビジネスカンファレンス「Carely Susatainable Expo 2021」を開催した。今回はその中から、iCAREのカスタマーサクセス部でカスタマーコミュニティプランナーを務める駒居佑里恵氏が「Carelyのカスタマーサクセスが考える顧客の健康経営支援とは?」と題して語った講演の内容を紹介する。
同社が提供する「Carely」は、働くひとの健康データに基づいた予防措置によって健全な組織づくりを支援する健康管理システムだ。人事労務を中心にアナログで可視化されづらい健康管理業務を簡素化して、従業員の健康データから健全な職場環境の構築を支援する。
駒居氏は「Carelyが支持される理由の一つとして、使いやすいシンプルな画面デザインと操作性がある」と紹介した。システムのダッシュボード画面からは健康診断の受診率や有所見率、ストレスチェックの受験率を一目で確認できるほか、産業医面談の候補者を自動で抽出して画面に表示する。
また、個人ページは病院の電子カルテのように操作することができ、これまで紙やPDFファイルなどの複数の媒体で管理していた情報を一元管理可能なため、産業医面談の際に必要な情報がCarely内でカバーされるという。
同氏はCarelyが継続率99.4%を実現する仕組みとして、クライアントへの同サービスの活用を支援するアカウントディベロップチームが取り組む「導入支援」「Carelyサポート体制」「ユーザー会」の3つの工夫を紹介した。
「導入支援」ではサービス契約後に何を実現したいのかを要件定義からヒアリングし、定例ミーティングなどによって定期的なサポートを提供する。サービス契約後にも打ち合わせを実施して、より実務に生かしやすいようサポートする。
「Carelyサポート体制」ではクライアント企業の担当者がサービス契約後の実務で困らないよう、マニュアルやFAQサイトの内容を拡充しているとのことだ。サポートサイトのリリース前と比較して契約社数が1.8倍まで増加した一方で、窓口への問い合わせは減少しているとのことだ。現在はチャットボット機能も追加済みである。
「ユーザー会」としては、サービス利用者限定で月に1回の定例ミーティングを開催しているという。保健師や人事担当者が定期的に集まることで、当事者同士のつながり作りにも寄与しているようだ。
ユーザー会のコミュニティを運営する際には、「CxOの登壇」「開発者からの新機能案内」「社内専門家講師の登壇」「人事×保健師のコミュニティ」の4点を工夫しているのだという。特に新機能をリリースするタイミングでは、開発者自らが開発の背景まで含めて説明する機会を設けているとのことだ。
同氏は「Carely」を通じたコミュニティの今後について、オフラインでの親睦会の開催や、チャットのようなコミュニケーションツールを使用していつでも担当者同士が相談しあえる環境を作っていく予定だと紹介した。