Vicorは、ミラノ工科大学の学生フォーミュラチーム「Dynamis PRC PRC」と協力し、レーシングカーの軽量化を実現したと発表した。
Dynamis PRCには100名以上の学生が所属。15年にわたってレーシングカーの試作車を設計、製造し、学生フォーミュラの国際大会の内燃エンジンカテゴリに出場してきた。同チームは現在、クルマの動力を内燃エンジンから電気モーターへと移行を進めており、従来のエンジン(20kg以上)を、各ホイールに1基ずつ搭載した3.5kgの電気モーター(4基)に置き換えるなどの軽量化が図られたほか、走行用蓄電池のほか、車内向け12V電圧の供給に向けてリン酸鉄リチウムイオン(LiFePO4)バッテリーも搭載。充放電管理が難しいことから、既存の12V回路を通して、車載のPCB、センサ、テレメトリ機器などに給電するほか、2つのDC-DCコンバータモジュールを用いて高電圧蓄電池の電圧を降圧して12Vを取り出し、低電圧負荷の中でも特に電力が大きい冷却ファンと冷却水ポンプに600W(12V、50A)を供給。このDC-DCコンバータモジュールとしてVicorの「DCM4623」を採用したという。
その理由として並列接続が可能なほか、入力電圧がレース中のバッテリーの放電による電圧変動範囲(550V~330V)に対応できるためだとしている。
なお、Dynamis PRCでは将来的には冷却システムに48V、その他の搭載機器に12Vを給電するデュアル低電圧システムの導入を予定しており、その際には高電圧の蓄電池からVicorのモジュールで48Vに降圧し、さらにモジュールを追加して12Vに降圧するとしている。