ソニーセミコンダクタソリューションズと日本マイクロソフトは、パートナー企業や顧客のソリューション開発、プロトタイプ開発、テスト支援などを目的に東京都港区芝に設立した共同イノベーションラボにおいて、AIカメラを活用したソリューション開発に向けた技術トレーニングの本格提供と、参画パートナーの募集を12月より開始することを発表した。

両者は、2020年5月よりAIカメラと映像解析を用いたソリューション構築に向けた協業を進めており、その取り組みの一環として、共同イノベーションラボを世界4か所(米国、中国、ドイツ、日本)に立ち上げている。

日本では、2021年7月から港区にラボを設立。同ラボでは、Microsoft Azure上で提供するAIサービス「Azure Cognitive Services」(人間の認知機能をAPIとして利用可能)や、AI処理機能を搭載したソニーのインテリジェントビジョンセンサー「IMX500」を使ったトレーニングと技術検証を実施している。

同ラボにはソニーとマイクロソフトの技術エンジニアがおり、ソニーはラボの取り組みに必要なリソースを提供しているという。加えて、各参加企業は、ソリューションの効率的な開発・導入を支援するソニーのエッジAIセンシングプラットフォーム「AITRIOS」が提供する、開発環境やクラウドサービスなど、さまざまな機能を活用することが可能だとしている。

2021年12月6日時点のラボ参加企業はアバナード、SBテクノロジー、EBILAB、日本システムウエア、日本ビジネスシステム(50音順)。

例えばEBILABは、同ラボでの技術トレーニングを経て、店舗での商品補充における販売機会損失を最小化することを目的に、商品が棚から無くなると、AIカメラが商品の欠品状況を確認し、Microsoft Teamsと連携したウェアラブル端末に通知し、円滑な商品補充を可能にするという小売業向け棚監視ソリューションを開発。すでに実証実験を開始しているという。また、ほかの参画企業においても、トレーニング終了後、各種ソリューション開発を順次行っていく予定だとしている。

なお、各参加企業はラボを通じて、エッジAIモデルやシステム構築のためのトレーニングが受講可能となり、ソリューション構築の迅速化、開発コストの削減、市場投入までの時間短縮などの効果が期待できるようになるとのことで、今後もソニーと日本マイクロソフトは協力してIMX500とクラウドを活用したソリューション開発を進め、日本市場におけるAIカメラを活用したソリューションの普及に努めていくとしている。

  • 共同イノベーションラボの様子

    共同イノベーションラボの様子(出典:ソニー)