Samsung Electronicsは、自動車向け半導体として、5G接続用「Exynos Auto T5123」、包括的な車載インフォテインメントシステム用「Exynos Auto V7」、Auto Vシリーズ用のASIL-B認定パワーマネジメントIC(PMIC)「S2VPS01」の3種類の製品を発表した。
SamsungのシステムLSIカスタムSoCビジネス担当エグゼクティブバイスプレジデントであるJaehong Park(ジェホンパーク)氏によると、同社がこれまでモバイル分野で培った専門知識を車載半導体に応用した製品群だという。
自動車に5Gを搭載
Exynos Auto T5123は、スタンドアロン(SA)モードとノンスタンドアロン(NSA)モードの両方で高速かつシームレスな5G接続を次世代のコネクテッドカーにもたらすように設計された3GPPリリース15準拠のチップ。最大5.1Gbpsのダウンロード速度により、情報をリアルタイムで受信し、車内でも高解像度コンテンツのストリーミングやビデオ通話などのサービスを可能にするという。
Arm Cortex-A55×2コアを搭載し、GNSSに対応。インタフェースはPCIeで、LPDDR4xモバイルDRAMにも対応するという。すでにAEC-Q100の認定を取得済みで、大量生産も開始しているという。
一方のExynos Auto V7は、車載インフォテインメントシステム(IVI)向けに設計された車載プロセッサの最新製品。Arm Cortex-A76×8コア(1.5GHz動作)と、Arm Mali G76を11コア搭載し、GPUをクラスターディスプレイとAR-HUDのスモールドメインに3コア、中央の情報ディスプレイ(CID)などのビッグドメインに8コアを割り当てており、最大4つのディスプレイと12のカメラ入力をサポートする。
この物理的な分離により、GPUが複数システムを同時にサポートすることを可能としつつ、1つのドメインが別のドメインに干渉するのを防ぐことで、安全な操作を可能にしたとする。CPUならびにGPUのほか、顔、音声、またはジェスチャー認識機能の視覚データと音声データを処理できる仮想支援などに向けたNPUも搭載されているという。
すでに大量生産が開始されており、LG ElectronicsのVS(Vehicle component Solutions)部門によって開発された独Volkswagenの最新車載アプリケーションサーバ(ICAS)3.1に採用済みだという。
Auto V7/V9向けPMIC「S2VPS01」
そしてS2VPS01は、ExynosAuto V9およびV7向けに開発されたPMICで、ASIL-B認証を取得済みだという。高効率のトリプル/デュアルフェーズバックコンバータで構成され、パッケージ内に低ドロップアウトレギュレータ(LDO)とリアルタイムクロック(RTC)を搭載しているという。また、過酷な熱的および電気的条件からの保護のために、過電圧保護(OVP)、低電圧保護(UVP)、短絡保護(SCP)、過電流保護(OCP)、熱シャットダウン(TSD)機能などを備えているともしている。