横河電機は、PXiSE Energy Solutions,(パイス・エナジー・ソリューションズ)の全発行済株式を取得したことを12月2日に発表した。
パイスは2016年に設立された、リアルタイムでの再生可能エネルギーおよび分散型エネルギーリソース(DER)の管理により、電力会社や送電事業者による高信頼で安定した電力供給を実現するソフトウェアの開発会社。
米国、アジア、オセアニアで1GW以上のプロジェクトを納入した実績があり、今回の買収以前は米国の総合エネルギー事業者Sempra Energyの子会社で三井物産が一部を出資していたという。
パイスが有するActive Control Technology(ACT)は、ハイブリッド発電所制御、マイクログリッド制御、分散型エネルギーリソース管理システムから構成される電力系統の自動制御ソフトウェアのプラットフォームであり、従来の電力系統と複数の分散型エネルギーリソースの統合を可能にし、システム全体の最適化を実現可能で、大規模な再生可能エネルギー発電設備の効率性と生産性を最大化することができるという。
ACTは特許取得済みであり、高速な計測・制御技術は従来の電力系統監視制御システムより信頼性が高く、スムーズなエネルギーリソースの移行を可能にし、複数の外部データと予測を組み合わせることで、コスト削減と利益の最大化も支援できるとのことだ。
横河電機は電力業界において、数十年にわたり世界各地で従来の発電所向け制御システムを納入してきた実績があり、同社の制御装置とIIoTソフトウェアのプラットフォームは、再生可能エネルギーの発電設備に加え、建物、工場、地域エネルギー・マネジメント・システムで活用されているという。
今回の買収により、横河電機は発電設備の監視・制御における強みを生かし、送配電分野のクライアントのクリーンエネルギーに関する目標達成の支援を目指していき、多様化するエネルギー供給網の管理を高度化することで、再生可能エネルギー設備を最大限に活用し、最終的に安価で高信頼、持続可能なエネルギー供給をサポートしていくとのことだ。