世界半導体市場統計(WSTS)は、2021年の秋季半導体市場予測を11月30日に発表した。それによると、2021年の半導体市場は前年比25.6%増の5529億6100万ドルとなり、過去最高を更新するとしている。
2021年の大幅なプラス成長は、2020年の新型コロナ感染拡大に伴う巣籠需要による半導体需要の増加(2020年は前年比6.8%増)が継続したこと、ならびに世界的なワクチン接種の拡大による経済活動の再開の後押しを受けた結果のものとしている。
また、2022年も同8.8%増の6014億9000万ドルと、統計市場初めて6000億ドルを突破することが予想されており、一部の電子機器製品の弱含みが足元でうかがえるものの、全体的には旺盛な半導体需要が当面は継続するものと見ている。
半導体製品別の動向
2021年の半導体市場を製品別に見た場合、ディスクリートが同26.4%増の301億ドル、オプトが同7.0%増の432億ドル、センサが同25.6%増の188億ドル、IC全体で同27.6%増の4608億ドルとWSTSは予測している。
また、2022年は、ディスクリートが同7.2%増の323億ドル、オプトが同6.4%増の460億ドル、センサが同11.3%増の209億ドル、IC全体で同9.0%増の5023億ドルと予測。ICを製品別で見た場合、メモリが同8.5%増、ロジックが同11.1%増、マイクロが同6.2%増、アナログが同8.8%増と予測している。
日本の半導体市場動向
日本における半導体市場は、円ベースで2020年は同0.6%減の約3兆8934億円であったが、2021年は同22.0%増の約4兆7486億円とプラス成長に反転、2022年も同10.3%増の約5兆2395億円とWSTSでは予測している。
なお、WSTSの定義する「半導体市場」は、半導体メーカーの国籍や生産工場の場所には関係なく、「半導体製品が半導体メーカーから第三者に販売された地域」を意味する。この「第三者」には、半導体ユーザである電子機器メーカー、EMS、半導体を扱う商社などが含まれている。