大日本印刷(DNP)は11月30日、リモート環境で対応中の顧客の声からAIが感情を解析して、接客中のオペレーターに解析結果を伝えることで効果的な接客を支援する感情解析システムを開発したと発表した。

同社は2019年から、ビデオ通話などによるリモートでの接客や商談を支援する「DNP遠隔接客支援サービス」を提供している。今回開発したシステムを同サービスに組み込み、感情解析を利用したリモート接客の代行支援を今年12月から開始する予定だ。

  • 「DNP遠隔接客支援サービス」で感情解析している画面イメージ

感情解析システムに搭載する音声感情解析は、接客中に顧客が発した声の「波形の振幅や間隔」と「周波数」をAIが解析し、相手の感情を推定するものである。正直・本心、高い期待、興奮、恥じらい、確信が持てない・自信がない、ストレス、緊張、強い興奮、より高いストレスの9つの感情に分類して可視化するという。

解析した感情の情報はリモートで接客中のオペレーターが扱う端末に送信されるため、音声分析の結果をオペレーターが即時に把握して、接客しながらより効果的に接客や商談の情報提供を実行できるようになる。

  • AIによる感情解析システムを活用したリモート接客支援の概要

同システムでは会話を録音することなくリアルタイムに感情解析可能なため、個人情報の管理にも配慮した運用が可能だ。また、感情解析機能は「DNP遠隔接客支援サービス」ではない他社のリモート接客システムや機器に対しても導入できるとのことだ。

システムのみを使用する場合は初期費用30万円からと、運用費として月額5万円からが必要になる。リモート接客を行う専門スタッフの派遣や育成、接客に必要なコンテンツの作成、実店舗の効果的な陳列棚づくり、接客の効果分析などもカバーする代行支援サービスと組み合わせて使用する場合は初期費用50万円からと、運用費として月額20万円からが必要。