生産性を上げるやり方は百人百様だが、忙しいCEOたちはどうやっているのか?生産性ツールHiveの公式ブログ「14 Productivity Tips From Top Business Leaders」が14人のCEOの方法を紹介している。ここではその中から7つを紹介したい。

1.金曜日に一週間を振り返る
「毎日、業務のメモをつけてそれを週の終わりに見ている。印刷して、しっかりレビューすると、時間の過ごし方が変わる」というのは、Atlassianの共同創業者、Scott Farquhar氏。

自分がその日どのように過ごしたのか、その週どのように過ごしたのかを振り返るだけで、どこに無駄があったかがわかる。Farquhar氏はレビューでのポイントとして、「やろうと思っていたことに到達できたか?」「自分が出席したミーティングに実際に出席する必要があったか?」「もっと短い時間で同じことができないか?」の3つで振り返っているという。

2.難題は後回しにせず、最初に取り組む
HiveのCEO、John Furneaux氏のアドバイスが、「嫌な仕事に真っ先に取り組む」だ。仕事をスタートする前に、最初に難題や厄介な作業を入れたTo-Doリストを作ろう。

理由は、朝一番は最もエネルギーがあり、気が散ることも少なく、難しいことをやるには適した時間帯だからだ。できればスマホの通知をオフにするなど環境に配慮して、一日で最も仕事がはかどる時間にしたい。

3.最も集中できる時間帯を把握する
2.のように、一般的には朝がはかどるという人が多い。だが、人により集中できる時間帯は異なる。夕方の方がやる気が出るという人もいるだろう。

SAP Qualtricsの共同創業者、Ryan Smith氏は「自分の脳がどのように動き、いつ生産性が高いのかを理解しておく」とアドバイスする。Smith氏の場合は午前中なので、ミーティングは午後に入れるようにしているという。

自分が最も生産性が高くなる時間帯を把握しておけば、その時間に合わせたスケジュールを組むことができる。結果として生産性が上がりそうだ。

4.5分だけやってみる
このアドバイスは、Instagramの共同創業者であるKevin Systrom氏から。誰でもやりたくない仕事があるだろう。そんな時は「自分に言い聞かせて5分やってみる」とSystrom氏。すると、最終的に終わらせることできるという。多くの場合、最も難しいのは着手であり、一旦始めればできてしまうことが多い。

ずるずると後延ばしにしたところで、やらなければならない作業はやらなければならない。「5分だけやろう」と言い聞かせて自分を納得させてはいかがだろう。

5.習慣を作る
TwitterとSquareを創業し、現在も2社のCEOを務めるたack Dorsey氏は超多忙。「月曜日はマネジメント、火曜日は製品にフォーカス、水曜日はマーケティング、コミュニケーション、グロース、金曜日は企業とカルチャーと採用」と曜日によりやることを分けて習慣にしているという。

Dorsey氏の生産性の高さの秘密は、習慣にあるのかもしれない。毎日テーマが異なるので、その日はそのテーマを掘り下げることができる。

ちなみに、Dorsey氏の習慣は平日だけではない。週末は、土曜日がオフでハイキングに行き、日曜日は振り返り、フィードバック、戦略の日だという。

6.寝る前に明日の計画を
生産性のための手法であるGetting Things Done(GTD)Methodの創業者兼CEO、David Allen氏は、「寝る前に最初にやることは、次の日や2~3日先の予定を見るようにしている」という。

Allen氏は自分のやるべきことを、1)ハードなもの、2)ソフトなもの、と2つに分類してコミットの配分を考えて、次の日の枠組みを作っているそうだ。

7.マニュアルのタスクを自動化
AIの時代、自動化できるものは自動化しようというのがZapierのCEO、Wade Foster氏の助言だ。誰でもできるもの、自動化できるものは極力自動化しよう。

著名なツールやアプリを提供する企業のCEOたちの方法論だけにいずれも興味深いものだが、Instagram共同創業者Kevin Systrom氏の"5分だけやってみよう"は確かに頷ける。5分ルールとも呼ばれるこの方法は、先延ばしの誘惑を防ぐ文脈で用いられる。Kevin Systrom氏は、2017年に米ニュースWebサイトAxiosの質問の6つの質問(朝に必ずやることは? すばやくスマートになるためのお気に入りのトリックは? あなたの好きなライフハックは? あなたが不安に思っていることの1つは? あなたの死ぬまでにやりたいバケツリストは何?)のなかの好きなライフハックについて、"何かをしたくない場合は、少なくとも5分間はがんばってください。5分後にはすべてを実行することになります"と答えている。

やらない誘惑と同居することになるテレワークや在宅勤務などでは特に有効になりそうだ。分単位で区切る点は、25分作業と短い休息で区切る時間管理術の「ポモドーロ・テクニック」とも似ている部分もあるが、なにも開始できていない最初の5分の取り組みを指し、先延ばしを防ぐ目的が異なる。5分ルールを実行するにあたっては、何かトリガーを用いるのも手だ。PC起動時に5分ルールの下準備を行えるようにしておこう。「5minutes」フォルダーを作成し、このなか対象となるファイルを入れておく。

  • 5minutesフォルダーを作成し、朝一に真っ先に5分間ルールで処理したいファイルを入れる

    5minutesフォルダーを作成し、朝一に真っ先に5分間ルールで処理したいファイルを入れる

PC起動時に特定フォルダを開く方法はいくつかあるが、手軽に行うにはWindowsのスタートアップフォルダを活用する。[Windows] + [E]でエクスプローラーを立ち上げ、アドレスバーに"shell:startup"と入力すると開くのでそのなかに「5minutes」フォルダーのショートカット(フォルダを右クリックで[ショートカットの作成])を放り込む。

  • エクスプローラーを立ち上げアドレスバーに"shell:startup"で[Enter]すると、

    エクスプローラーを立ち上げアドレスバーに"shell:startup"で[Enter]すると、

  • スタートアップフォルダが出現する。ここに「5minutes」フォルダーへのショートカットを入れておく

    スタートアップフォルダが出現する。ここに「5minutes」フォルダーへのショートカットを入れておく

再起動してみよう。起動するとほかの起動時に立ち上がるツールと同じように「5minutes」フォルダーが立ち上がった。あとはダブルクリックするだけ、300秒の戦いに挑むのみだ。

  • 再起動すると「5minutes」フォルダーが自動的に立ち上がった

    再起動すると「5minutes」フォルダーが自動的に立ち上がった