2021年のGordon Bell賞は、量子優越ギャップを縮めるという中国チームの研究が受賞した。日本の筑波大などの富岳を使った400 torillion-gridのVlasovシミュレーションの研究はファイナリストには残ったが、受賞は成らなかった。
今回は本賞のほかに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)研究のGordon Bell特別賞が設けられ、理研、神戸大学、東京工業大学のチームが受賞した。
Gordon Bell本賞は中国チームが受賞
中国の浙江研究所、清華大学、無錫スパコンセンター、上海量子科学研究所らの研究者のチームの、新しい「神威スパコン」を用いてランダム量子回路のリアルタイムシミュレーションを行い量子優越のギャップを縮めるという研究を発表した。
53QubitのGoogleのSycamoreプロセサをシミュレートするには、10,000年掛かると見積られるが、研究チームのやり方で新しい神威スパコンで計算すると304秒でできてしまうという。そして、リアルタイムシミュレーションができるようになると、スパコンを使って量子デバイスのアーキテクチャやアルゴリズムの研究ができるようになり進歩が期待できるという。
しかし、コロナ下でもあり、中国のこの研究の関係者は授賞式には参加していなかったようであり、写真は無い。
COVID-19特別賞は富岳を使う理研などのチームが受賞
富岳を用いたエアゾロル拡散のシミュレーションについては、一時はTVでも繰り返し流されていたのでお馴染みであるが、正確なデジタルシミュレーションができるようになり、飛沫やエアロゾルの飛散の様子を見える化することで、飛沫エアロゾル感染についての理解と対策の重要性を、日本だけでなく、世界の人たちに啓発し、人々の行動に変化をもたらした点が評価を受けて、COVID-19特別賞を受賞した。