富士通は11月18日、イギリスのBotanical Water Technologies(BWT社)と共に持続可能で循環的な新しい飲用水の提供を目指し、植物由来の飲用水取引を可能にする水取引プラットフォーム「Botanical Water Exchange(BWX)」に関する契約を締結して、同日より構築を開始したと発表した。
国際連合は世界人口の約3分の2に相当する40憶人が深刻な水不足であると発表しており、持続可能な開発目標(SDGs)でも水不足への対応が急務とされている。こうした背景を受けて両者は、富士通が有するブロックチェーン技術によりサプライチェーンのトレーサビリティを実現する「FUJITSU Track and Trust」サービスを活用して、水の取引プラットフォームである「BWX」を構築するとのことだ。
BWT社は、食品工場で野菜や果物の圧縮時に発生する、従来廃棄されていた水分を植物由来の純水(以下、Botanical Water)として精製する技術を保有するイギリスの企業だ。
野菜や果物の濃縮ジュース工場やサトウキビを加工する砂糖工場、アルコール蒸留所が濃縮工程の途中にBWT社の設備を追加することで、これまで廃棄していた水を浄化してBotanical Waterを精製できるようになり、「BWX」のプラットフォーム上で他の食品・飲料メーカーへ販売可能となる。また、自社内でも新しい水として利用できるという。
同プラットフォームに使用する「FUJITSU Track and Trust」は、ブロックチェーン技術を含むさまざまなオープンソース・ソフトウェアの活用経験を持つ同社のノウハウを生かしてプラットフォームを構築するサービスだ。ブロックチェーン技術をビジネスに活用する際に必要となる認証やユーザー権限管理に加え、UI、インフラ、ネットワークなどの広い知見を基に、アジャイル手法でプラットフォームの実現を支援するという。