損害保険ジャパン(損保ジャパン)、SOMPOリスクマネジメント(SOMPOリスク)、電通国際情報サービス(ISID)は11月17日、AIで農作物に影響を与え得る自然災害や気象リスクの発生を早期に予測し、対策を促す新サービスの検証を開始すると発表した。

近年は国内の各地で自然災害が頻発しており、それに伴って農作物被害も深刻で、農作物の収量や品質が不安定となる一方で、外食産業の発展などを背景に業務用農作物の需要が拡大しフードチェーンの安定化が望まれている。

こうした背景を受けて損保ジャパンおよびSOMPOリスクでは、気象の影響による農作物被害を未然に防ぐための「リスク検知・アラートサービス」の開発と、被害を防ぐための対策に必要な費用に対して保険金を支払う「予兆保険」の組成を目指しているという。そこで昨年から、ビッグデータの分析や農業IoTに強みを持つISIDと連携して共同開発を進めているとのことだ。

  • ビジネスモデルのスキーム

3社はこれまでに、特に水稲を対象とした高温障害の発生を早期に予測するAIモデルの開発、被害回避のための追肥を生産者に促す取り組みを続けている。複数の都道府県農業試験場などからデータ提供や助言を得て、高温障害発生予測モデルのプロトタイプ構築まで完了したことから、今回は社会実装に向けた検証フェーズへと移行する。

検証の実施に伴い、3社は協力可能なパートナー企業および自治体や研究機関の募集を開始する。契約農家から業務用米の仕入れを行っている企業や、業務用米の生産を行っている生産者、水稲の高温障害対策に関心のある自治体または研究機関が対象だ。予測モデルの実証に向けたデータ提供や、実運用を想定した課題検証への協力を求めている。

  • リスク予測AIモデルと追肥指示のイメージ