情報処理推進機構(IPA: Information-technology Promotion Agency, Japan)が、2021年11月16日発行の「安心相談窓口だより」において、パソコンに表示される偽のセキュリティ警告に騙されないように注意を呼びかけている。こうした偽のセキュリティ警告に記載された電話番号は正規のものではなく、連絡すると高額なサポート費用の支払いなどを迫られるおそれがある。
IPAが運営している安心相談窓口には「パソコンがトロイの木馬ウイルスに感染している」といった偽のセキュリティ警告を信じてサポート代金を支払ってしまったなどの相談が多数寄せられているという。
攻撃者はパソコンのセキュリティソフトなどを装って偽のセキュリティ警告を表示させることで被害者の不安をあおり、警告画面に記載された電話番号に電話をかけさせることでサポート契約への登録やサポート料金の支払いなどを要求してくる。正規のサポートを提供する有償サービスとは異なり、これらの悪質な業者からは正当なセキュリティ対策が提供されるとは限らないため、契約は避けるべきだ。
IPAの安心相談窓口だよりでは、これらの詐欺の被害に遭わないための基礎知識として、偽セキュリティ警告を使った典型的な手口や対処方法などが紹介されている。また、被害を未然に防ぐために次のような対策を徹底するように呼びかけている。
- 警告画面記載の電話番号に電話をかけない
- 突然表示された警告画面のメッセージは立ち止まって冷静に対処する
- 遠隔隔操作ソフトやセキュリティソフトはダウンロードもインストールもしない
- 購入・契約しない
IPAでは、安心相談窓口だよりのほかにも、実際の偽セキュリティ警告の手口を検証した動画などの公開も行っている。正しい知識を身につけて、このような詐欺による被害に遭わないように対策を整えることが重要だ。