米コンピュータ緊急事態対策チーム(US-CERT: United States Computer Emergency Readiness Team)は11月12日(米国時間)、「CISA Releases Advisory on Vulnerabilities in Multiple Data Distribution Service Implementations |CISA」において、米国土安全保障省サイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁(CISA: Cybersecurity and Infrastructure Security Agency)が複数のデータ配信サービス(DDS)の実装に見られる脆弱性に関するセキュリティアドバイザリをリリースしたと伝えた。
このアドバイザリでは、DDSで発見された13件の脆弱性の情報が含まれている。これらの脆弱性を悪用されると、攻撃者によって不正な値の書き込みやサービス運用妨害、情報漏洩、任意のリモートコード実行などといった被害を受ける可能性がある。
このアドバイザリの対象となる製品としては次のものが挙げられている。
- Eclipse CycloneDDS:0.8.0より前のすべてのバージョン
- eProsima Fast DDS:2.4.0より前のすべてのバージョン
- GurumNetworks GurumDDS:すべてのバージョン
- Object Computing, Inc(OCI)OpenDDS:3.18.1より前のすべてのバージョン
- Real-Time Innovations(RTI)Connext DDSProfessionalおよびConnextDDS Secure:バージョン4.2xから6.1.0
- RTI Connext DDS Micro:バージョン3.0.0以降
- TwinOaks Computing CoreDX DDS:5.9.1より前のすべてのバージョン
このアドバイザリには、次の13件の脆弱性に関するレポートが含まれている。脆弱性のいくつかは深刻度が「重要(Important)」に分類されており注意が必要。
- CVE-2021-38441: Eclipse CycloneDDSにおいて、攻撃者がXMLパーサーに任意の値を書き込む可能性がある
- CVE-2021-38443: Eclipse CycloneDDSにおいて、攻撃者がXMLパーサーに任意の値を書き込む可能性がある
- CVE-2021-38425: eProsima Fast DDSにおいて、攻撃者が特別に細工したパケットを送信することで対象デバイスを不要なトラフィックで溢れさせ、サービス運用妨害状態や情報漏えいを引き起こす可能性がある
- CVE-2021-38423: GurumDDSにおいてバッファオーバーフローが発生する可能性がある
- CVE-2021-38439: GurumDDSにおいて、ヒープベースのバッファオーバーフローによってサービス運用妨害状態を引き起こしたり、リモートから任意のコードを実行したりできる可能性がある
- CVE-2021-38445: OCI OpenDDSにおいて、リモートの攻撃者が任意のコードを実行できる可能性がある
- CVE-2021-38447: OCI OpenDDSにおいて、攻撃者が特別に細工したパケットを送信することで対象デバイスを不要なトラフィックで溢れさせ、サービス運用妨害状態を引き起こす可能性がある
- CVE-2021-38429: OCI OpenDDSにおいて、攻撃者が特別に細工したパケットを送信することで対象デバイスを不要なトラフィックで溢れさせ、サービス運用妨害状態や情報漏えいを引き起こす可能性がある
- CVE-2021-38427: RTI Connext DDS ProfessionalおよびConnextDDS Secureにおいて、スタックベースのバッファオーバーフローによってローカルの攻撃者が任意のコードを実行できる可能性がある
- CVE-2021-38433: RTI Connext DDS ProfessionalおよびConnextDDS Secureにおいて、スタックベースのバッファオーバーフローによってローカルの攻撃者が任意のコードを実行できる可能性がある
- CVE-2021-38435: RTI Connext DDS ProfessionalおよびConnextDDS Secureにおいてバッファオーバーフローが発生する可能性がある
- CVE-2021-38487: RTI Connext DDS ProfessionalおよびConnextDDS Secureにおいて、攻撃者が特別に細工したパケットを送信することで対象デバイスを不要なトラフィックで溢れさせ、サービス運用妨害状態や情報漏えいを引き起こす可能性がある
- CVE-2021-43547: TwinOaks Computing CoreDX DDSにおいて、攻撃者が特別に細工したパケットを送信することで対象デバイスを不要なトラフィックで溢れさせ、サービス運用妨害状態や情報漏えいを引き起こす可能性がある