NECは10月12日、テレビ東京系列4局(テレビ北海道、テレビ大阪、テレビせとうち、TVQ九州放送)から新たな放送サービスを実現する次世代のIPマスターシステムを受注したと発表した。
IPマスターシステムは、信号の伝送や処理をIPで行うテレビ送出システムだ。今後提供が見込まれる4K放送やネット同時配信などの新たな放送サービスを柔軟に実現できるシステムとして、2023年8月から順次稼働を開始する予定だ。
同システムは、IntegratedPlayOut(IPO、汎用サーバーベースの映像音声処理装置)や汎用IPルーターなどから構成されている。新たにIPネットワーク技術の活用により従来型の映像伝送であるSDI(Serial Digital Interface)の信号処理や同軸ケーブルを置き換えることで、将来的な放送サービスの多様化に対応する柔軟性・拡張性と、広帯域・多重伝送にも耐えうる安定性・信頼性の両立を実現する。
また、EBUピラミッドの技術要件で示される国際標準規格であるメディア伝送規格「SMPTE ST 2110」、制御・管理規格「AMWA NMOS IS-04,05」、時刻同期規格「SMPTE ST 2059(PTP)」に準拠している。
NECは今後、JT-NMロードマップに示される国際標準規格に対応し、フルIP化、クラウド化を見据えた次世代放送サービスの実現と普及拡大を推進していく。