東芝は11月12日、事業をスピンオフし、3つの独立会社とする方針を決定したと発表した。「インフラサービスCo.」「デバイスCo.」「東芝」の3つの会社に分社する計画で、所要の手続きが完了することを条件に、2023年度下期の上場完了を目標としている。
「インフラサービスCo.」(仮称)は、エネルギーシステムソリューション、インフラシステムソリューション、ビルソリューション、デジタルソリューション、電池事業から構成される。
「デバイスCo」(仮称)は、デバイス&ストレージソリューション事業から構成され、東芝は、キオクシアホールディングスと東芝テック株式を保有する。
スピンオフにより、「インフラサービスCo.」はカーボン・ニュートラルの目標の達成およびインフラレジリエンスの向上に貢献する会社として、また、「デバイスCo.」は社会・ITインフラの進化を支える会社として、それぞれの産業をリードする特色ある企業となる。
「インフラサービスCo.」は2021年度に売上高2兆900億円が見込まれており、3.3%の年平均成長率(CAGR)で、2023年度には2兆2,300億円となる見込み。営業利益率は同期間に5.1%から5.2%に伸長し、スピンオフ完了後には、より拡大する見込み。
「デバイスCo.」は2021年度に売上高8,700億円を見込んでおり、メモリ転売分を除くと3.3%の年平均成長率(CAGR)で、2023年度には8,800億円となる見込み。注力領域であるパワー半導体は、2021年度950億円を2023年度には1,200億円に、CAGR 13%の成長を計画している。ニアラインHDDは、2021年度2,000億円を、2023年度2,800億円に、CAGR 18%の大きな成長を見込んでいる。また営業利益率は2021年度の7.1%から、2023年度には6.1%となる見込み。
このスピンオフは、成長戦略の明確化、意思決定のスピードの向上、コスト構造の最適化により各事業の競争力を強化し、持続的で利益ある成長と株主価値の向上の実現を目指して行われる。
キオクシア株式は、株主価値の最大化をはかりつつ、実務上可能な限り速やかに現金化し、手取り金純額についてはスピンオフの円滑な遂行を妨げない範囲で、全額株主還元に充当するとしている。