AGCは11月12日、28GHzの5Gミリ波帯の屋内エリア利用シーン拡大に向けて、屋内の壁や天井に設置して電波反射方向が切替可能な「RIS反射板」を開発したと発表した。

AGC Nelcoの低損失基板に位相制御可能な設計を適用した周期構造の人工表面を付与することで、電気的に任意に反射角度を制御できるようになったのだという。

  • 「RIS反射板」の製品イメージ

高周波数の電波は大容量のデータを高速で受発信でる利点を持つが、直進性が高く減衰しやすいため、基地局アンテナから発信された電波は建物などの構造物の裏側には届きにくい点が課題とされていた。

改善策として反射板が期待されてはいるものの、従来の反射板は特定の方向に電波を反射させるのみであり、屋内で広範囲にわたって受信電波強度を改善することができなかった。

今回同社が開発した「RIS反射板」を使用してNTTおよびNTTドコモと実施した共同研究により、窓を介して室内に浸透してきた基地局からの電波は、同製品を使用しない場合と比較して、28GHz帯の受信電力を最大で20dB程度改善することが確認できたとのことだ。

  • 共同研究のイメージ