KDDI、東急、みずほリサーチ&テクノロジーズ、渋谷未来デザインは11月9日、誰もが安心して都市連動型のメタバース(バーチャルシティ)を利活用するためのガイドライン策定などを目的として、「バーチャルシティコンソーシアム」を発足した。
同コンソーシアムは、KDDIが2022年春に展開予定のプラットフォーム構想である「バーチャルシティ」の利活用に向けてオープンな議論や研究を重ね、ガイドラインの策定や情報発信に取り組むという。
KDDI、渋谷未来デザイン、渋谷区観光協会らが中心を務める「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」が2020年5月に立ち上げた、渋谷区公認の配信プラットフォームである「バーチャル渋谷」の運営によって得られた知見を基にして、他都市でのバーチャルシティの展開、新規ビジネス開発、技術開発など、日本発のメタバースの発展に向けた議論を進めるとのことだ。
「メタバース」とはインターネット上に構成される仮想空間を指す。都市連動型のメタバースである「バーチャルシティ」においては、実在の都市と仮想空間が連動して共に発展する新たな街づくりを目指すという。同コンソーシアムでは、バーチャルシティの発展過程で必要となるステークホルダー間の諸権利の整理やコンプライアンス指針の策定といった課題の解決に向けた取り組みを進める予定だ。
コンソーシアムの立ち上げに伴って開催された発足式の中で、コンソーシアムの代表理事を務めるKDDIの中馬氏は「われわれが実現しようとしているのはバーチャル空間におけるメタバースだけでなく、リアルな街と連動した都市連動型のメタバースである。リアルな都市と連動して商行為が行われた際の収益分配を実現するためのリアルAPIマーケットプレイスの開発や、バーチャル住民権を付与するための厳格な個人認証の実施など、課題の整理が必要だと感じたのでコンソーシアムを立ち上げた」と発足の経緯を語った。
また、同イベントに出席した渋谷区長の長谷部健氏は「バーチャルシティには伸びしろを感じており、今後が非常に楽しみな技術である。私たちは行政としてバーチャル空間に新たな価値を提供していきたいと思う。リアルな街の開発だけではなく、バーチャルな渋谷の街が開発されていくことに対して、渋谷区長として非常にうれしく思う」とコメントを発表した。