11月8日~11月10日にかけて幕張メッセにて開催されている最先端科学・分析システム&ソリューション展「JASIS 2021」。
HORIBAグループは、分析時間を前世代機比で40%短縮した「元素分析装置」や高機能・高付加価値材料の状態分析と品質評価のための「遠心式ナノ粒子解析装置」といった新製品などの紹介を行っている。
ブース内で新製品として紹介されている元素分析装置「EMGA-Pro/Expert」。
ちなみに同社の元素分析装置には炭素(C)・硫黄(S)を分析する「EMIA」シリーズと酸素(O)・窒素(N)・水素(H)を分析する「EMGA」シリーズがある。
そんなEMGAシリーズの新製品「EMGA-Pro/Expert」は前世代機よりすべての工程を一新し、分析時間を40%短縮することに成功したという。
また、高スピードでも分析精度を落とさないため検出器を独自開発。これにより性能を担保し、信頼性の高い測定の提供が可能だとしている。
また、ダストフィルターに新機構を採用し交換頻度を10分の1に、キャリアガスの消費量を40%削減し、下部電極の交換がチップ交換のみとなったことで作業時間が10分の1になり、メンテナンス性の向上ならびにランニングコストの低減を実現したという。
キャリアガスの削減においては、47リットルのボンベ使用で約1300回から2500回と回数が増えたことで「入手困難で高価なヘリウムガスの消費量が減りコストダウンへとつながった」というユーザーの声も聞こえてきているという。
ブースの担当者に新製品の特徴を聞いたところ、「分析時間を40%も削減できたというのはインパクトがあると思っている。分析結果がでるまでの待ち時間を削減でき、空いた時間でほかのことができるというのはコストメリットという意味でもアピールできる点だと思っている」と教えてくれた。
また、新製品として遠心式ナノ粒子解析装置「Partica CENTRIFUGE」も紹介されていた。
同社は近年、遠心沈降式の装置の販売を中止していたが、従来の動的光散乱式やレーザー回折式の粒度分布計では、測定が難しい広い範囲の粒子径を正確に測定したいというカーボンナノチューブ(CNT)研究者のニーズから開発を行い、今回の販売に至ったという。
粒子をサイズごとに分級しながら測定する遠心沈降法の特徴により、一度に高精度でワイドレンジの測定結果が得られることや、測定結果がグラフで見ることができる点が特徴だという。
このほか、純水から排水まで幅広いレンジの液中の炭素・有機物測定に利用が可能だというオンライン TOC計「HORIBA Tocadero T1」も展示されていた。
その特徴は1200℃の高温度燃焼酸化方式の採用により触媒不要で測定が可能な点だという。
また、燃焼温度が高いため汚れたりつまったりしにくいことからトラブルが少なく、ランニングコストを抑えることも可能だとしている。
さらに定期的なメンテナンスに要する時間は30分/月で、自己診断機能によりトラブルを未然に防止することも可能だという。
展示ブースでは、そのほか同社グループが取り扱う多種多様な計測ソリューションも紹介されていた。