ASPINA(シナノケンシ)は11月9日、「自動化」「省人化」「軽労化」に向けて開拓余地の多いロボティクス分野での総合的な価値提案の一環として、ロボティクス向け「車輪駆動用薄型インホイールモータ」ならびに「関節用薄型中空ブラシレスモータ」の2シリーズを開発したことを発表した。
今回の2種類のモータシリーズは、ロボットの小型化ニーズに応える薄さが特徴となっており、車輪駆動用薄型インホイールモータ「CAIWシリーズ」の場合、通常の台車の車輪と同程度の幅のまま電動化し、かつ歯車機構と電磁ブレーキを車輪に内蔵した一体化(インホイール構造)という特徴を備え、足回りの省スペース化を可能とする。
Φ150ダイレクトドライブタイプとΦ200減速機+電磁ブレーキ一体型タイプの2タイプを用意。幅はそれぞれΦ150タイプで73m、Φ200タイプで128.5mmとしている。また、耐荷重については、Φ150タイプが1モータあたり180kg、Φ200タイプが1モータあたり250kgとしているほか、安全走行の面では、防塵防滴仕様IP44により屋内外(建築現場などの半屋外)で利用が可能であることに加え、Φ200タイプは、歯車機構と電磁ブレーキを内蔵しているため、電源喪失時でも車輪側でブレーキが作動するフェールセーフ機能を備えているという。
一方の関節用薄型中空ブラシレスモータは、従来品のブラシレスモータ比で約50%となる薄さ(モータ長は50Wタイプで27.6mm、100Wタイプで33.9mm、150Wタイプで40.2mm)と、関節部をスリム化できる中空径Φ25.4という大きな中空構造を備えることで、ケーブル配線やエアチューブを中に通すことで、関節部のスリム化を図ることを可能とする。
薄型中空ブラシレスモータと滑らかな回転を提供する専用ドライバを組み合わせたパッケージ提案により、ロボット用電源に適した駆動ユニットを提供することができるとしており、主に協働ロボットではケーブル配線やエアチューブの設置の容易化、産業用ロボットでは直接動作にすることで、ベルトなどのメンテナンスが必要な部品の削減(メンテナンスフリー化)、自律走行ロボットでは、関節部だけでなく車輪駆動部分の省スペース化を可能とするとしている。
なお、2シリーズともに、ASPINAの標準品販売ブランド「Plexmotion」として11月15日より販売受付を開始、薄型ブラシレスモータは12月、インホイールモータは2022年1月より、順次販売を開始する予定としている。