PUXは11月8日、同社独自開発の車番認識アルゴリズムを実装したAIネットワークカメラとクラウドを組み合わせた車番認証システムを使用し、駐車場利用状態を可視化する実証実験を神奈川県内のコインパーキングで実施したことを発表した。
従来の車両入退管理ソリューションに用いられる車番認識を活用した認証システムの多くはオンプレミスとして構築されており、他拠点の一元管理には適していない。その他、クラウド上に車番認証システムを構築することにより一元管理を試みているソリューションもあるが、画像の送受信が必要なため処理時間が長く、通信負荷が大きいといった課題がある。
こうした背景を受けて同社は、車番認証処理をエッジであるAIネットワークカメラとクラウドで分散して実行することにより、処理時間と通信負荷を最適化するシステムを開発したとのことだ。実証実験の結果から、99%以上の認証率に加えて現実的な処理時間と通信負荷を達成し、駐車場の満空管理やリピート車両の確認といったマーケティング分析用途にも使用できることを確認したという。
同実証実験において、カメラでの画像撮影からクラウド上での認証結果出力までの処理時間は10秒未満であり、通信負荷はクラウド上での処理の場合と比較して約50%以下に抑えられた。なお、同社は今後について、車番認識アルゴリズム改善による高精度化や、エッジおよびクラウド構成のさらなる最適化を進めて、精算やゲート管理といった高精度かつリアルタイム処理が必要な用途での利用も目指すとしている。