Texas Instruments(TI)の日本法人である日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は、スーパーキャパシタ充電用の降圧モードを搭載することで競合製品比で1/3となる60nAの静止電流を実現した双方向昇降圧コンバータ「TPS61094」を発表した。
バッテリ駆動の機器の設計においては、常にバッテリ寿命の延長の実現が求められる。その多くが、 HLC(ハイブリッド層コンデンサ)を使用してピーク負荷に対応しているが、HLCは高価であるほか、充電電流の制御にとって最適ではないという課題があるという。
同製品は、そうした課題を解決することを目的に開発された昇降圧コンバータで、昇圧動作時のインダクタ電流制限を2Aに設定することで、競合製品比で2倍の出力電流供給を可能としたほか、60nAの低静止電流により、HLC比で最大20%のバッテリ動作時間延長を可能とするという。また、降圧チャージャと昇圧コンバータを1チップIC化したことで、ディスクリートの降圧チャージャ、インダクタ、および2個の外部コンデンサを不要にでき、部品点数の50%削減ならびに、ボード面積の縮小も実現できるともしている。
なお、同製品は2.0mm×3.0mmの12ピン WSON(超薄型スモール・アウトライン・ノー・リード)パッケージで提供され、1000個受注時の単価(参考価格)は1.20ドルからとしている。また、評価モジュール(EVM)「TPS61094EVM-066」も同社Webサイト上にて99ドルで入手可能となっている。