Windows 11に空のフォルダが大量に作られる奇妙な動き

Windows 11には、System32フォルダに空のフォルダが大量に作成されるという奇妙な動きがある。この挙動は、Windows 11が正式に配信されるようになってから広く認知されるようになった。空のフォルダはシステムに散らばって作成されるのではなく、「C:\Windows\System32\config\systemprofile\AppData\Local\」以下に作成されることがわかっている。

使っているWindows 11にどの程度この奇妙な空のフォルダが作成されているかは、管理者権限でWindows Terminalを起動することで確認できる。管理者権限でWindows Terminalを起動したら、「cd C:\Windows\System32\config\systemprofile\AppData\Local\」のようにして対象のフォルダへ移動する。

このフォルダ以下に存在しているフォルダを確認すると、「tw-」からはじまり「.tmp」で終わるフォルダが大量に見つかるはずだ。

  • C:\Windows\System32\config\systemprofile\AppData\Local\に大量の空フォルダ

    C:\Windows\System32\config\systemprofile\AppData\Local\に大量の空フォルダ

  • 「tw-」からはじまり「.tmp」で終わるフォルダにはファイルが含まれていない

    「tw-」から始まり「.tmp」で終わるフォルダにはファイルが含まれていない

上記のスクリーンショットでは、357個の空フォルダがC:\Windows\System32\config\systemprofile\AppData\Local\に存在していることを確認できる。

なお、このフォルダは管理者権限がなければ確認することができない。通常の権限で起動したWindows TerminalでC:\Windows\System32\config\systemprofile\AppData\Local\へ移動しようとしても、次のようにアクセス権限がないとしてアクセスが拒否される。

  • 通常の権限ではC:\Windows\System32\config\systemprofile\AppData\Local\にはアクセスできない

    通常の権限ではC:\Windows\System32\config\systemprofile\AppData\Local\にはアクセスできない

これはファイルエクスプローラでも同じだ。権限がない状態では、C:\Windows\System32\config\systemprofile\AppData\Local\にアクセスすることはできない。

この空フォルダは削除しても大丈夫?

この奇妙な動作は、さほどシステムに悪影響を与えないという特徴がある。しかし、作成されるフォルダはどんどん増えていくようで、ユーザーによっては数千ほどの空フォルダが存在していることが確認されている。使いもしない空フォルダが数千個も存在するというのは、あまり気持ちのよいものではない。

Microsoftはこの挙動をバグや脆弱性だとは考えていないのか、本稿執筆時点では、この挙動に関する問題報告や脆弱性情報などは公開されていない。このため、この空のフォルダをどうやって処理すればよいか、公式には不明というのが現状だ。

この奇妙なフォルダはWindows 10にも存在することが確認されており、少なくとも2019年にはその存在が確認されている(参考「Topic: ProvTool.exe creating temp folders @ AskWoody」)。当時、この問題を発見したユーザーは「プロビジョニングパッケージランタイム処理ツール(ProvTool.exe)がこの空フォルダを作成しているようだ」と指摘している。

どんどん作り続けられるこの空フォルダは公式には対処のしようがないが、「Windows 11 also floods folders with empty TMP directory garbage | Born's Tech and Windows World」や「Windows 10: Flooded with empty TMP directory garbage | Born's Tech and Windows World」などは、この空フォルダは削除しても差し支えがないと説明している。

あくまでも自己責任となるが、空フォルダが数千から数万といった数に達して気になるという場合、いったんアーカイブにまとめるなどのバックアップ処理を行った上で、削除を行って様子を見るといった手もある。