アイ・ティ・アール(ITR)は11月4日、国内のバーチャルオフィス市場の規模推移および予測を発表した。これによると同市場の2020年度の売上金額は3億2,000万円、前年度から6.4倍の規模となることが分かった。市場を構成するベンダーはまだ少ないものの、各社とも売上金額を前年度の数倍に伸ばし、また参入ベンダーも増えたことが要因としている。
同市場は黎明期であり、まだバーチャルオフィスの定義も明確でないため、独自のコンセプトを掲げたさまざまな製品・サービスが登場している。特に2019年度以降、大手ベンダーをはじめ新規参入が増加している。
今後も、コミュニケーション関連の製品・サービスとの連携によるプラットフォーム化や、勤怠管理製品・サービスとの連携による在宅勤務下での効率的な就業管理活用など、導入のきっかけとなる機能強化・拡張が進み、ユーザーは増加を続けると同社はみている。同市場のCAGR(2020~2025年度)は96.8%になるとし、2025年には95億円の規模に成長すると予測されている。
ITR シニア・アナリストの舘野真人氏は、「オンライン空間上での行動をオープンかつ緩やかに共有することが可能なバーチャルオフィスツールには、組織への帰属意識を醸成するとともに、雑談や偶発的な会話を生じやすくする効果がある」と、コメントしている。