埼玉りそな銀行は11月1日、富士通、KADOKAWAと共に、ところざわサクラタウン(埼玉県所沢市)内の店舗において、キャラクターイラストをデザインした電子コイン「サクラタウンコイン」による電子通貨決済の実証実験を開始すると発表した。実験は2022年4月10日までを予定しており、利用可能店舗は順次増加する見込み。
同実験で使用する電子コインには、「ケロロ軍曹」「コバトン(埼玉県マスコット)」「トコろん(所沢市イメージマスコット)など、数十種類のキャラクターのイラストとコメントが付いている。従来の電子マネーとは違って「おつり」の概念があり、付与される電子コインのデザインはランダムであるため、コインを収集する楽しみもあるとのことだ。
3社は同実験において、電子コインの利用者数や販売金額、デザイン別の未使用金額などを分析することで、同システムが地域振興ビジネスのスキームとして成り立つのかを検証する。加えて、電子コインの利用者や電取り扱い店舗へのアンケートによって、システムの改善点や魅力の向上に向けたアイデアの収集に取り組む予定だ。
埼玉りそな銀行の地域ビジネス部グループリーダーである米澤雅行氏は「実証実験では、ところざわサクラタウン内と近隣の店舗までの拡大を見据えている。どれだけの人数にどれだけの金額を使っていただけるかは不明だが、実証実験が終了するまでの5か月間でアジャイル開発で成長させたい」と述べた。
電子コインを購入する際には、Webブラウザからの登録が必要だ。Googleアカウントを持っていれば誰でも登録可能で、名前や電話番号、口座番号などの個人情報の入力は不要である。電子コインの運用には、Ridgelinezが提供するシステムとキャッシュレス機能が使用されており、イーサリアムベースのブロックチェーン技術が用いられているとのことだ。
なお、購入した電子コインは2022年4月11日以降は通貨としての使用が不可能となるが、4月末までは個人間での授受や交換が可能となる。同年5月以降は完全に使用不可となる予定だ。