OKIは11月1日、ロンコ・ジャパンと共に、物流におけるルート配送の計画をAIを活用して最適化する「コスト最小型ルート配送最適化アルゴリズム」の試行運用を開始すると発表した。

  • ロンコ・ジャパンの配送トラック

今回の試行運用では、一つの配送先拠点に対して複数台の車両で荷物を届ける「分割配送」に対応したOKI独自のアルゴリズムによって、配送の順番や各車両に積載する荷物量の最適化に取り組む。さらに、配送時間の指定や全車両の稼働時間の均等化を実現するとともに、有料道路の利用判断を含めたコストの最小化にも対応するとのことだ。

物流の配送計画立案にあたっては、積載量や車両数、配送距離など多くの要件を考慮する必要がある。しかし、店舗ごとの納品時刻を遵守した上でドライバーの業務量を均等化する調整は、専門知識や経験のある熟練社員の技量に頼らざるを得ないのだという。物流業界の人材不足などが社会課題となる中、配送要件が確定してから出荷開始時間までの立案を短時間で確実に実施するためにも、配送計画の自動化が必要とされている。

そこでOKIは、過去の実証実験で既に有効性を確認しているアルゴリズムに対し、店舗ごとに異なる配送時間を指定できる機能と、有料道路の利用有無を計算する機能を新たに搭載して、コストを最小限に抑えた配送計画立案の自動化を目指す。これにより、配送時間の遅延や各車両への仕事の配分の偏りをなくしつつ、ルート配送を最適化することで、カーボンフリーにも貢献するとしている。