SK Hynixがファウンドリ事業の強化に向け、韓国の専業ファウンドリメーカーKey Foundryを買収することを決定したと複数の韓国メディアが報じている。
Key Foundryは、韓国の清州市にある8インチウェハのファウンドリ。もともとは1979年に設立されたLG Semiconductorの一部であったが、1999年にLG SemiconductorがHyundai Electronicsと合併し、Hynix Semiconductorへと社名を変更。しかし2004年、経営難に陥り、リストラの一環でシステムLSI事業をスピンオフさせ、海外のCVCキャピタルへと売却するためにMagmnaChip Semiconductorを設立した。
MagnaChipは、清州の製造ラインをファウンドリ事業に、亀尾市の製造ラインをシステムLSIの製造に割り当て、事業を行ってきたが、2020年にファウンドリ事業と清州のFab 4(月産9万枚の200mmファブ)を韓国内の投資会社コンソーシアムが立ち上げた買収目的会社の子会社であるKey Foundryに売却。SK Hynixもこの買収に2000億ウォンを出資し参加していた。
今回のKey Foundry買収により、SK Hynixがかつて手掛けていたシステムLSI事業の一部を17年ぶりに買い戻すこととなる。Key FoundryのFab 4はもともとSK Hynixのファブであり、清州にはSK HynixのNAND製造拠点があるほか、最近ではSKグループのウェハ製造会社であるSK Siltronがエピウェハ製造工場を開設するなど、一大拠点化が進んでいる。
なお、SK Hynixの筆頭株主であるSK Telecomは、11月1日付で半導体の企画・設計および電子商取引(EC)、セキュリティ、デジタルヘルスケアなどの新分野にて積極的なM&Aを通じて事業規模の拡大を目指す新会社「SK Square」を分社化させる。SK Telecomは、2020年に独自設計のAIチップを発表しており、今回の分社化は、そうした半導体分野への注力を加速させるものとみられる。
SK Squareは、半導体製造を担当するSK Hynixとの相乗効果を図る一方で、韓国政府が進める非メモリビジネスの強化策「総合半導体強国」の実現に向けた官民協力にも応じていくとしている。