富士通は10月28日、AIを活用した配車マッチングプラットフォームを有するイスラエルのスタートアップ企業Autofleetと資本業務提携を締結したことを発表した。物流産業の労働力不足や環境問題などの社会課題解決に向けたサステナブルな物流ソリューションの開発を目的とした、グローバルな戦略的提携とのことだ。

物流は経済発展を支える社会インフラであり、さまざまな要素によって複雑なエコシステムが構成されている。現在は新型コロナウイルス感染症の世界的な流行に伴って、生活様式の変化がモノの移動を活発化させており、これまで以上に物流の重要性が高まっている。

一方で、物流需要の増加による労働力の不足や、二酸化炭素の排出量増加による環境問題など、物流システムのさまざまな領域において新たな社会課題が発生していることから、効率的でありながら環境に配慮した新しい物流の仕組みが必要だ。

そこで富士通はAutofleetとの提携に基づいて、富士通のシステム開発のノウハウや物流業務の知見とAutofleetが提供する動的な配車マッチングプラットフォームの融合を進める。これにより、社会課題の解決に向けたサステナブルな物流ソリューションを開発し、グローバルに展開していくとのことだ。

具体的なユースケースとしては、物流需要の変動が大きい宅配を始めとしたラストワンマイル輸送における動的な配車や、緊急時の輸送に対応する求貨求車のマッチングを想定しているという。加えて、公共交通などと連携した貨客混載、物流産業でも導入が進む電気自動車の充電ポイントを考慮したルート最適化などに取り組む予定だ。