OKIは10月28日、東京ドームで4月および7月に開催されたプロ野球の読売ジャイアンツ戦において、会場全体の音から歓声音のみを抽出して分析する実証実験に取り組み、歓声の大きさ(レベル)を定量的に把握できたことを報告した。
実証実験では、マイクアレイを用いて打球音や場内音楽、アナウンス音などを抑制し、歓声音のみを抽出してそのレベルを分析したとのことだ。同社は実証実験の結果を受けて、コロナ禍における「声を出さない応援」の実効性の確認や証明が可能になるとしている。
今回実施した実証実験では、東京ドームの観客席にマイクアレイを3台設置して試合中の会場全体の音を収録し、その音響データを分析した。複数のマイクにおける音圧出力に適切な遅延時間および重み付けをして、足し合わせることで指向性を形成するビームフォーミング技術を用いて、マイクアレイの指向性を制御することにより、会場全体の音から目的である歓声とそれ以外の音を分離したという。
これによって、打球音や場内のスピーカーから流れる音楽、アナウンス音などの目的外の音を約15デシベル抑制することで、歓声音のレベル測定に成功している。さらに、試合中に歓声が起こったタイミングから、そのレベルの推移が定量的に評価できることも確認したとのことだ。