アットマークテクノは、10月27日~29日にかけて千葉県・幕張メッセにて開催されている「第12回 Japan IT Week 秋」にて、2021年11月ころの発売を予定している最新世代のエッジAI処理向けIoTゲートウェイ「Armadillo-IoTゲートウェイG4(Armadillo-IoT G4)」の実機デモを披露している。

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  • Armadillo-IoT G4の基板。メインチップの「i.MX 8M Plus」(Samsung 14nm LPC FinFETプロセス採用)は基板の裏側に配置。専用筐体とi.MX 8M Plusの間に熱伝導性があるシリコンパッド的なものを挟みこむことで、熱をうまく逃がす工夫が施されている

Armadillo-IoT G4は、Docker互換のコンテナエンジン「podman」を採用することで、ユーザーアプリケーションをコンテナごとの切り分けによる脆弱性の限定化などを可能とした「Armadillo Base OS」を搭載するなど、産業界のエッジ領域で求められる機能を盛り込んだIoTゲートウェイという位置づけの製品。ブースで行われているデモは、Webカメラを接続し、ブースの前を通る人などの顔をはじめとする物体を毎秒30枚以上の高速性で検知するというもの。処理能力については、NPU搭載アプリケーションプロセッサ「i.MX 8M Plus」の性能が高い、という点もあるが、基板設計ならびに放熱を意識した筐体設計などの工夫も施されており、実際に筐体を触ってみても、人肌程度の温かさのレベルでそうした高速処理を実現している点を実感できるのは、こうした展示会ならではのポイントと言えるだろう。

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    実機デモの様子。アットマークテクノ社員がスマホでライオンの画像を映し出しているが、スマホ全体を認識してしまい、画像としては「tv」と認識されている。もっとカメラに画像を近づけ、スマホを認識している枠が外れると「dog」や「cat」といった生き物としての認識に切り替わっていた

また、ブース訪問時に、デモ機をリブートする様子も見たが、ものの20秒程度ですぐに立ち上がり、物体検知を再開できており、ダウンタイムを極力抑えたいというニーズに対応できることも確認できた。

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    左がArmadillo-IoT G4の筐体ありバージョン。基板とほぼ同じ大きさ。金属筐体で、放熱板の役割も担う

なお、ブースに居た同社 代表取締役の實吉智裕氏に話を伺ったところ、Armadillo-IoT G4はIoTゲートウェイという扱いながら、コンテナ技術の活用などが可能であるため、ルータ的な利用なども考えられるとしており、さまざまな産業分野での活用に向け、AIアプリケーションなどを含め、幅広いパートナーの募集も行っていきたいとしていた。