Windows 11における既知の問題の一つに、AMD Ryzenプロセッサを搭載した一部のPCにおいてパフォーマス低下するというものがある。Microsoftは10月21日、この問題への対処を含んだ累積更新プログラム「KB5006746プレビュー」をリリースした。またAMDも、Windows 11におけるAMD Ryzenプロセッサの別の問題を修正するパッチをリリースした。AMD Ryzenプロセッサを使用しているWindows 11ユーザーは、これらの修正プログラムを適用することでパフォーマンスが改善される可能性があるとのことだ。
AMD Ryzenプロセッサを搭載したPCを使用している一部のユーザーは、Windows 11にアップデートした後で、一部のアプリケーションのパフォーマンスが低下したという問題を報告していた。Microsoftはこの問題の原因をL3キャッシュのレイテンシーが低下することと捉え、2021年10月中に修正する予定とアナウンスしていた。KB5006746プレビューを適用することで、このL3キャッシュのレイテンシー問題が解消されるという。
一方、AMDが対処した問題は、UEFICPPC2(優先コア)がプロセッサの最速コアでスレッドを優先的にスケジュールしない場合があるというもの。AMDチップセットドライバーパッケージをバージョン3.10.08.506にアップデートすることでこの問題を回避することができる。詳細は次のページを参照のこと。
- Windows® 11 Performance Variation in Certain Applications on Compatible AMD Processors
- AMD Ryzen™ Chipset Driver Release Notes (3.10.08.506)
なお、MicrosoftがリリースしたKB5006746プレビューでは、その他にもセキュリティに関連しない多くの問題の修正と機能改善が行われている。例えば、一部のユーザーで[スタート]メニューが機能しなくなる問題や、レジストリで非ASCIIテキストを使用している一部のPCで0x38エラーが発生する問題、PowerShellが大量のサブディレクトリを作成する問題などが、この更新プログラムを適用することで修正される。修正内容の全リストは、次のサポートページで確認することができる。
KB5006746プレビューはWindows Updateからオプションの更新プログラムとしてインストールすることができる。また、Microsoft Update カタログからスタンドアロンのパッケージをダウロードして手動で適用するという方法も用意されている。