Samsung Electronicsは10月12日、EUVリソグラフィを適用した14nmプロセス技術を用いたDRAMの大量生産を開始したことを発表した。
同社は、2020年3月にEUVを適用させた1x-nm DRAMを発表していたが、今回はEUVの適用レイヤ数を5層に増やすことで、高性能なDDR5 DRAMプロセスを実現することに成功したとしている。
ここ最近、DRAM業界はSamsung含め、20nmプロセス未満の技術ノード(設計ルール)については正確な数字で表現せず、1x-nm、1y-nm、1z-nm、1α-nm)、1β-nmなどとぼかした表現を使ってきたが、今回の発表では明確に14nmとうたっていることが注目される。14nmは従来、1α-nmと呼ばれていたノードである。
今回の14nm DRAMではEUVを5層にわたって適用することで、ウェハ全体の生産性を約20%向上させるとともに、前世代のDRAMノード比で消費電力を約20%削減できるようになったとしている。
Samsung Electronicsのシニアバイスプレジデント兼DRAM製品およびテクノロジー責任者であるJooyoung Lee氏は、「EUVの採用により14nmプロセスを実現できた。これは、従来のArF露光技術では不可能な微細さである。この進歩に基づいて、5G、AI、メタバースのデータドリブンの世界におけるパフォーマンスとメモリ容量の向上要求に対応できるようになり、今後も差別化されたメモリソリューションを提供し続けることができるようになった」と述べている。
なお同社では、今後、データセンター、スーパーコンピュータ、エンタープライズサーバアプリケーションのサポートに向け、14nm DDR5のポートフォリオを拡張する計画としているほか、そのチップ容量についても増大するデータ需要への対応として24Gビットまで拡大することを計画しているともしている。