NTTコミュニケーションズ(以下 NTT Com)は10月14日、欧州「GAIA-X」に対応し企業間の安全なデータ流通を実現する国際データ流通プラットフォームの日欧連携共同トライアルを開始 すると発表した。

NTT Comは、欧州が自国・地域のデータ主権保護を目的に開発中のデータ流通基盤「GAIA-X」を構成する技術標準「IDS」の、コア技術「IDSコネクター」との相互接続を実現するプラットフォームのプロトタイプを開発することに、2021年4月成功した。

この成果をもとに同社は、「IDS」と企業間の安全なデータ流通を実現するトラストデータ基盤「withTrust」を連携させるセキュアな国際データ流通プラットフォームのプロトタイプを新たに開発。日欧のパートナー企業・団体と連携した共同トライアルを2021年10月より開始する。期間は2022年3月(予定)まで。

実験では、トライアル環境に、国内外のパートナー企業・団体の機器やシステムを接続して日欧間でデータ流通させることで、国際データ流通プラットフォームの利便性や機能性、実用性を検証する。

  • トライアル環境

また、「GAIA-X」に準拠する欧州産業界の複数のデータスペース(オランダ Smart Connected Supplier Network、ドイツ Catena-Xなど)をトライアル環境で相互接続する実験も行う。

さらに、製造時CO2排出量などを国や業界による商習慣や法律の違いを超えて円滑に伝達できるように共通データモデルを開発して日欧間で安全にデータ流通させる実験により実用性を検証し、「OPC UA」コンパニオン情報モデルとしてOPC Foundationに提案する。

同社はトライアルの成果をもとに、国際データ流通プラットフォームの商用版を2022年度上期に提供予定で、これによりNTT Comは、グローバルサプライチェーンを構成する企業・団体が、工場の機器データ、受発注情報、製品ライフサイクルのCO2や廃棄物の排出量データなどを「GAIA-X」や「withTrust」を介して安全にデータ流通できるようにするという。