ライフケア製品の大手ユニ・チャームは10月13日、最新のデジタル技術を活用し遠隔地においても10分の1ミリの精度で顧客の表情や繊維の違い、製品の品質まで分かる高クオリティ動画で職務を実行できるリモート環境「デジタルスクラムシステム」の開発を発表した。

  • 「デジタルスクラムシステム」システム構成(同社資料より)

    「デジタルスクラムシステム」システム構成(同社資料より)

システムはクラウドを活用し、遠隔地でも高クオリティの動画環境でリアルタイムのリモートサービスの提供を行うもので、同社によれば「10分の1ミリの精度で顧客の表情や繊維の微細な変化、設備の点検や修理箇所の特定など、数千キロ離れた場所からでも臨場感をもって把握できる」という。これらのシステムを活用し、国内開発者と外国の現地調査研究員との意見交換や、世界の国々の文化や生活習慣、顧客ニーズの違いや変化などのモニタリング、世界各国にある生産設備稼働の検証や点検、調整などへの活用を想定している。

  • 「デジタルスクラムシステム」利用事例(同社資料より)

    「デジタルスクラムシステム」利用事例(同社資料より)

同社では、ライフケア商品の開発において顧客との対面から得られるインサイトを重視しており、いわゆる3現主義(現場・現物・現時点)をもとにマーケティング、商品開発、地産地消にこだわった生産体制を構築。2021年1月に「DX推進本部」を新設するなど会社をあげてDXを推進しており、今回の「デジタルスクラムシステム」やサブスクリプションで紙おむつ等を提供する「手ぶら登園」などの開発を進め、6月には、経済産業省と東京証券取引所が選出する「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2021」において「DX注目企業2021」として選定されている。