東急不動産は10月12日、社学生情報センター(ナジック)および提携企業と連携して、物流業界が抱える労働力不足に関する課題の解決を目的とした「人材確保支援サービス」の提供を開始すると発表した。同社が展開する物流施設「LOGI'Q(ロジック)」をはじめ、同社の物流施設のテナント企業向けに、2022年1月から提供を開始する予定だ。
同サービスは、「社員・パート採用支援」「運営委託先・派遣元紹介」「福利厚生」の3つのサービスから構成される。
「社員・パート採用支援」においては、ナジックをはじめとするグループ企業が有する学生のデータや学生との接点を活用して、物流業界のイメージ改善につながる情報や、各企業の取り組みを発信可能だ。新卒採用に加えて、1日単位での単発アルバイトの採用に関するサービスも提供するため、翌日の現場スタッフの確保から将来の人材採用まで幅広く対応する。
「福利厚生」においては、「building smiles~はたらく人を笑顔に~」を事業コンセプトに展開する同社独自のサービスを物流施設の従業員向けにも展開する。同社グループが展開する東急ステイなどの宿泊施設や、東急プラザや東急ハンズの優待のほか、独自のイベントなどが展開される。
物流業界では、EC市場の拡大などの理由から取扱荷物の多頻度かつ小口化が進む一方で、現場を支えるドライバーの高齢化や庫内労働者の採用難などを背景に慢性的な労働力不足が続いている。現場での労働力不足に対して、物流業界ではDX(デジタルトランスフォーメーション)による自動化・省人化のための取り組みや、企業間の垣根を超えた共同配送による効率化の実施によって働き方改革の推進を進めているという。
同社は2016年に物流施設開発事業に参入しており、これまでに労働環境の改善に資する空間作りや、省人化に適した庫内の開発、採用面で優位な立地での物件の供給などを開発のコンセプトに、物流業界が抱える労働力不足の課題解決に取り組んできた。そこでこの度、同社グループのナジックや提携企業のリソースを結集して、物流業界向けの「人材確保支援サービス」を提供するに至ったとのことだ。なお、今回の取り組みで提携する企業は、TRUNK、PAL、ワールドスタッフィングの3社である。