メルペイは10月11日、18~59歳の男女計800名を対象にした後払い決済(BNPL:Buy Now, Pay Later)サービスに関する調査結果を発表した。これによると約3人に1人が、後払い決済サービスの利用経験があることが分かった。

昨今、後払い決済がクレジットカードに代わる決済方法として世界中で注目されている。矢野経済研究所によると、今後の国内の後払い決済サービス市場は、2020年度の8820億円(見込)から、24年度には1兆8800億円にまで拡大し、年平均成長率20%超と大きく成長するという。

メルペイが今回発表した調査によると、全体の約3人に1人(31.1%)は、後払い決済サービスの利用経験があり、特に若年層ほど利用率が高くなり、20代35.6%、30代33.8%、40代30.0%、50代16.9%が利用していることが分かった。

  • 後払い決済サービス利用率 出典:メルペイ

また、後払い決済サービス利用者の平均月間利用金額については、2021年3月から9月にかけて「1万円未満」が9.0%減少し、「1万円以上」使う割合が増加してきている。また利用者のうち、70.3%はクレジットカードも保有していることがわかり、「クレジットカードの与信が通らないから後払い決済サービスを利用している」わけではなさそうだ。

  • 後払い決済サービス利用者の平均月間利用金額 出典:メルペイ

  • 後払い決済サービス利用者のクレジットカード保有率 出典:メルペイ

ではなぜ、後払い決済サービスの利用率が増加しているのか。それは、クレジットカードの管理のしにくさにある。同調査によると、20~30代の後払い決済サービス利用者の約半数(49.5%)は「ついお金を使いすぎてしまう」、約4人に1人(24.3%)は「利用金額を把握しにくい」点をクレジットカード利用の課題として挙げている。クレジットカードでは、支払いの管理が難しいと感じているようだ。

一方で、後払い決済サービスを利用する理由として、60.9%の利用者が「支払うタイミングを調整できるから」、約3人に1人が「利用金額を把握しやすいから」(34.8%)「支払いの見通しを立てやすいから」(30.4%)と、利用と支払いの管理がしやすい点をメリットとして挙げている。

  • クレジットカード利用の課題/後払い決済サービス利用の理由 出典:メルペイ

メルペイ 取締役COOの山本真人氏は、「約7割の人がクレジットカードと後払い決済サービスを組み合わせて利用している。今後は支払いの管理のしやすさが重要になってくる」と、10月11日に開催されたオンライン説明会で述べた。

  • メルペイ 取締役COOの山本真人氏

メルペイが提供する後払い決済サービス「メルペイスマート払い(翌月払い・定額払い)」は、「メルカリ」の利用実績などを元に利用限度額が決まり、購入代金を後から支払うことが可能。2021年4月に割賦販売法の一部が改正され、従来の与信の仕組みに代えてAI(人工知能)での与信が可能になったことから、同サービスが実現している。

また、利用上限金額や支払い金額を自身で設定することができ、利用履歴も確認できるため、透明性のある管理が可能だ。

銀行からの引き落としやコンビニでの支払いに加え、「メルカリ」の売上金で支払うことができる点も同サービスの特徴だ。利用者の約4割が「メルペイスマート払い」の支払いに売上金を利用しているという。

「利用状況の可視化や、柔軟な支払い方法が後払い決済サービスにおいて重要になってくる」(山本氏)