NECは10月8日、日常の歩行データを場所や時間を問わず収集し、歩行状態を分析可能な「歩行センシング・ウェルネスソリューション」を法人向けに提供すると発表した。小型センサを搭載した専用インソールとクラウド・ダッシュボードで6つのデータを計測・分析できる。
同ソリューションは、同社が独自開発した小型の歩行分析センサを搭載した専用インソールを活用したものだ。インソールを靴に入れるだけでセンサが歩行速度、歩幅、接地角度、離地角度、足上げ高さ、足の外回し距離といった、「歩容(≒歩行の質)」にまつわるデータを計測し、専用のアプリやダッシュボードから確認することができる。
費用はインソールが5000円、センサの利用料が3000円/月となり、専用アプリやダッシュボード使用ためのクラウド・ダッシュボード利用料が50,000円/月となる。
従来、人の歩行状態の把握では、カメラで撮影した歩行シーンの映像や、身体に装着したウェアラブルセンサからのデータを基に分析する必要があり、場所や利便性、専用設備の設置など運用や費用面に課題があった。
同社のソリューションを活用することで場所や時間を問わず、専用設備も用意せずに、歩行状態を計測したデータを収集できる。法人向けの同ソリューションでは日常計測だけでなく、リアルタイム計測用のセンサを新たに開発。同センサで特定の場面における歩行状態を計測することも可能だ。
センサは歩行時のみ検知・起動し消費電力を抑える設計なため、計測の精度を高めながら電池交換や充電の手間も省ける。
なお、NECは新技術として、センサで収集したデータから足圧中心移動指数や拇趾関節の歪み(第一中足骨関節角度)といった足の健康状態を示す指標を推定する独自の歩容分析AI技術を開発した。