キーサイト・テクノロジーは10月6日、オンラインで会見を開き、学生からビジネスリーダーまで、幅広いエンジニアリング教育に関する取り組みについての説明を行った。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な感染拡大に伴い、リモート教育への注目があらゆる分野で高まった。エンジニアリング分野でも同様で、最前線で活躍できるエンジニアとしての育成には、最新技術の理解のみならず、最新のツールも活用できるようになる必要があると同社では考えており、そうしたソリューションとして今回、エンジニアとR&Dリーダー向けeラーニングプラットフォーム「Keysight University」の提供を開始したとするほか、基本的な測定ラボの遠隔セットアップを用いてオンライン学習用に設計された「Remote Access Labソリューション」の販売も開始したとする。

  • Keysight University

    「Keysight University」のロゴ

Keysight Universityは、エンジニアの知識とキャリアの向上を支援するために、パーソナライズされた魅力的な教育体験を提供する世界規模の学習ハブを構築することを目指す取り組み。エンジニアがテクノロジーに対応するために必要なスキルに焦点を当てており、高精度なデジタルおよび無線周波数測定のアプローチ、業界標準、測定の自動化、IoTなど、エンジニアリングの課題について、現在、5G、自動車、高速デジタル、ネットワーク・セキュリティ、航空宇宙工学、量子コンピューティングなどの先端技術の知識向上につながる130以上のコースを用意しているという。

また、教育のためのプラットフォームであり、カリキュラムの途中で一度、別のことをするために中断しても、後程、そこから再開することを可能としている。

一方のRemote Access Labソリューションは、大学の実験室(ラボ)をオンライン学習にシームレスに移行することを可能とするもの。具体的には、学生は手元のPCのWebブラウザ上からラボのセットアップにリモートからアクセスし、ラボの作業を行うことを可能とするとしており、主要コンポーネントとして、IMSグローバル認定のLTI学習ツールで、学習管理システム(LMS:Learning Management System)との統合に対応し、クラウドベースのリモートラボへのアクセスと機器制御を可能とする「クラウドベースのPathWave Lab Operationソフトウェア」、測定器のファームウェアの一括アップデートを可能にするだけでなく、ラボの構成と資産管理の簡素化、一元化を可能にする「PathWave Lab Managerソフトウェア」、教育ラボのスイッチングとルーティングの幅広い要件に対応し、学生が業界標準の測定器にフルリモートアクセスで実践的なテストや測定を体験することを可能とする「U3900DAQスイッチングシステム」などが含まれているとする。

なお、Keysight Universityのカリキュラムはいずれ無料(要登録)で提供され、すでに全世界191か国の3万2000名以上のエンジニアが登録済みだという。また、現在は英語のみでの提供だが、日本のユーザーの動向をチェックし、ニーズの高いものから日本語への翻訳を進めていく予定としている。