IDC Japanは10月5日、国内ITサービス市場予測を発表した。これによると、国内ITサービス市場は2020年に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けマイナス成長となったが、2021年以降はプラス成長に回帰し、同社は2025年には6兆4048億円になると予測した。

  • 国内ITサービス市場 支出額予測(2020年~2025年) 出典:IDC Japan

2020年の国内ITサービス市場は、前年比2.8%減の5兆6834億円となった。COVID-19の感染拡大による影響を受け、商談の停滞や新規プロジェクトの先送り、進行中のプロジェクトの中断や進捗の遅れ、サプライチェーンの混乱による機器の納品遅延などが生じたという。

また、2019年の成長を牽引したWindows 7のサポート終了や消費増税に伴うシステム刷新、元号改正対応、消費税率変更対応などの複数の特需の反動減などが影響を与えたとのことだ。

一方で、2020年後半からはITサービス事業者の受注状況は回復傾向にあり、延伸や中断となったプロジェクトも再開しているため、2021年はプロジェクトベース市場を中心に回復が進むと同社は見込む。

2022年以降は、徐々に成長率は鈍化するものの、レガシーシステムの刷新/更新需要、企業によるDX(デジタルトランスフォーメーション)への投資の本格化が同市場の成長を促すとみている。2020年~2025年の年間平均成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)は2.4%で推移すると同社は予測している。

「ITサービス事業者は、成長領域であるDX関連サービスを強化するため、DX人材の育成と確保を急ぎ、自社のDXを推進すべきである」と、IDC Japan ITサービスのリサーチマネージャーの木村聡宏氏は述べている。