FRONTEOは10月4日、製薬企業の情報戦略策定を支援するAIシステム「WordATLAS」(ワードアトラス)の提供を発表した。

同システムには、同社がライフサイエンス分野に特化して開発した自然言語解析AIエンジン「Concept Encoder」が用いられている。同AIがPubMed(パブメド)に収載された医学論文と執筆者情報を解析。ユーザーが関心を持つ疾患分野にフォーカスして、論文投稿数や投稿内容のトレンドを「Global Word MAP」という地図上に表示することで、ユーザーの関心領域の研究が活発な地域・国、機関、研究者などを一目で把握することを可能にする。PubMedは、米国国立医学図書館の国立生物科学情報センターが運用する生物医学領域論文データベース。

  • 「Global Word MAP」の画面。論文執筆者の所属機関情報をAIが解析し、地図上に表示。関心のある領域についての論文執筆の多い機関・地域が把握できる

システムのダッシュボード画面には、論文の共著者ネットワーク「Word Net」が表示される。「Word Net」を用いて調べたい領域のイノベーターやキーオピニオンリーダーが特定できるほか、研究者同士のつながりなどが可視化されるため、共同研究をはじめ、臨床試験や臨床研究などの候補施設・候補研究者の探索にも活用できる。また、解析結果を時系列で示す機能により、年代ごとにどの研究チームがどのような研究を行ってきたかも把握できる。

  • 「Word Net」の画面。論文共著者情報から研究者のネットワークを可視化。各研究者がファーストオーサー、ラストオーサーなど、どの立場での参画が多いかも確認できる

同システムは基礎研究だけでなく、臨床研究や臨床試験、競合分析を含むメディカル・マーケティング戦略策定のためのサポートツールとしても活用できる。