NECは10月1日、経済産業省が公募する「令和3年度 再生可能エネルギーアグリゲーション実証事業」への参画を発表した。
同実証事業は、変動性の高い太陽光発電、風力発電などの再生可能エネルギー発電設備と蓄電池などの分散型エネルギーリソース(DER)を組み合わせ、需給バランス確保のための発電量予測や、リソース制御に必要となる技術などの実証を行うことで、DERを活用した安定かつ効率的な電力システムの構築と再生可能エネルギーの普及拡大を図ることを目的として行われる。
NECは東芝ネクストクラフトベルケをリーダーとしたコンソーシアム内の再エネアグリゲーター17社のうちの1社となる。
再エネアグリゲーターは、再エネや蓄電池などの分散型電源などを束ねて電気の供給を行う事業者だ。2022年4月から日本では、再生可能エネルギーの主力電源化を見据えて、FIP(Feed In Premium)制度への移行が予定されている。FIP制度下で発電事業者は、正確な発電量予測に基づいて、発電事業者や小売電気事業者などが30分単位で発電計画と発電実績、需要計画と需要実績を一致させるように調整を行う「計画値同時同量」が課される。また、変動する市場価格に応じて最適な取引によるマーケットリスクへの対応が必要となる。再生可能エネルギーの普及には、これらの課題解決を支援する再エネアグリゲーターの存在が必要とされている。
実証事業の中でNECは、容量1.7MWhの大型蓄電システムを2021年12月にNEC我孫子事業場へ設置し、再エネアグリゲーターの事業にとって重要となるインバランス回避と収益性向上に関する検証を行う。東急不動産の協力のもと、自社事業場外にある発電設備と連携してならし効果によるインバランス回避の実証も行う予定だ。
また、自社事業場内に設置した大型蓄電システムと太陽光発電設備を活用し、発電量予測技術、蓄電池制御技術、市場取引戦略技術、発電バランシンググループ(BG)と需要BGとの連携によるインバランス回避手法、再エネアグリゲーターの事業性などを検証する。なお需要BGとの連携については、VPP実証で培った技術を基盤に開発した「NEC Energy Resource Aggregation クラウドサービス」でシステム連携し、検証を行う予定だ。