ニコンは9月29日、同社の光加工機「Lasermeisterシリーズ」の新製品として、超短パルスレーザーによる除去加工を行うことで、高精度な平面仕上げや微細加工を実現する「Lasermeister 1000SE/1000S」を発表した。
従来のLasermeister 100Aシリーズが、金属パウダを照射するのと同時にレーザーをあてて、金属パウダを溶かしながら造形をするという方式を採用していたのに対し、今回のLasermeister 1000Sシリーズは、材料に超短パルスレーザーを照射して除去加工を施し、その表面形状を内蔵の非接触3D計測で取得してフィードバックする工程を自動で繰り返すことで、幾何公差サブマイクロメートルレベルの高精度な平面仕上げや微細加工を実現するものとなっている。
また、超短パルスレーザーを採用することで、熱影響を抑えることができるようになったため、ステンレスや炭素鋼、亜鉛、真鍮といった金属のほか、セラミックスや光学ガラスなどの破損しやすい材料、ダイヤモンドや超硬合金といった加工が難しい材料など、幅広い材料を高精度に除去加工することができるようになったという。 2製品ともに、最大加工寸法は500mm×500mm×180mmで、最大加工重量は80kgとしている。
機種の内訳としては、Lasermeister 1000SEが、超短パルスレーザーと内蔵の非接触3D計測を用いた加工システムを搭載し、高精度な除去加工を実現するエントリーモデルという位置づけで、Lasermeister 1000Sは、より高精度な座標補正機能を搭載し、広範囲かつ正確な平面仕上げや微細加工ができるスタンダードモデルという位置づけとなっている。
なお、ニコンでは中期経営計画にて、Lasermeisterを中心とする材料加工事業を注力事業として位置付けており、掲げられた「積層加工」「除去加工」「リブレット加工」の3つのうち、除去加工に今回対応できることとなり、これにより3つすべての加工方法を提供する体制が整ったとしている。