日本労働調査組合は9月29日、20~49歳で自身の勤務先が「ブラック企業だと思う」と回答した会社員552名を対象に実施した「ブラック企業に関する労働調査」の結果を発表した。
会社を辞めることを検討しているかを聞いたところ、 「はい」が68.7%、 「いいえ」が31.3%という回答結果となった。 今年4月に実施した会社員を対象とした調査では35.8%が退職を検討していると回答しており、 同調査と比べると32.9ポイント多いことになる。
会社を辞めたい理由は、 第1位が「給料が安い」(37.7%)となった。これに、 「従業員を大切にしない」(30.6%)、 「仕事量が多い」(28.2%)、 「不当な人事評価」(24.3%)と続いている。 今年6月に実施したブラック企業の定義を問う質問では「サービス残業」がダントツの1位だったが、 会社をブラック企業と認識している会社員の退職検討理由において、サービス残業は第7位にとどまっている。
「会社を辞めていない」辞められない理由」については、 第1位が「転職活動が不安」(41.7%)となった。 以降、「生活が困窮する」(38.9%)、 「家族を不安にさせる」(19.9%)、 「同僚や関係者に迷惑が掛かる」(17.6%)の順に続いている。
同団体は、ブラック企業に勤めている人は長時間労働により十分な転職活動時間が取れず、 収入のない期間が発生することを懸念する様子がうかがえると指摘している。