NECとFiNC Technologies(FiNC)は9月30日、岡山市や広島県が取り組む健康意識向上や生活習慣改善に向けた行動変容を促す事業の支援のため、AIやヘルスケアアプリなどの先進ICTを提供することを発表した。
両自治体の事業では、NECのAIを活用した「NEC健診結果予測シミュレーション」と、FiNCが提供するヘルスケアアプリ「FiNCアプリ」の連携により、健診結果をAIで分析しアプリを活用して健康プログラムを提案する。
「NEC 健診結果予測シミュレーション」は、NECの最先端AI技術群「NEC the WISE」の一つである「異種混合学習技術」を活用し、健康診断結果から体重、腹囲、血圧、血糖、脂質及び肝機能など生活習慣病に関連の深い12種類の検査数値の将来予測を示す。またAIが分析した効果の高い生活習慣改善の提案や、生活習慣を改善した場合の将来予測についてシミュレーション結果を可視化できる。「FiNCアプリ」は歩数、食事、運動、体重、睡眠、生理などに関するライフログの記録をすることで、パーソナライズされた分析・アドバイスを表示する。「NEC 健診結果予測シミュレーション」によるシミュレーション結果は、FiNCアプリ上から閲覧でき、生活習慣の条件を変更してシミュレーションし直すことも可能だ。
岡山市では10月1日から国保加入者で特定保健指導対象者などに該当する住民、約11,000名を対象に、一人ひとりに適した継続性のある生活習慣改善の健康プログラムをアプリで提示し、生活習慣の改善を促す。
広島県では12月1日から健康経営に取り組む県内企業などの従業員、約2,000名を対象に健康づくりにつながる実効性ある取り組みを検証する。
事業参加者は早い段階で生活習慣改善に取り組むための「気づき」を得られるだけでなく、次回の健診受診までの間に専門家監修の健康プログラムを活用して行動改善に取り組めるなど、「継続」まで含めたサポートを受けられる。また、自治体としてもポータル機能を活用し参加者の健康改善への取り組み傾向を把握することが可能となり、次の健康増進施策の立案に役立てることができる。