SolarWindsは9月17日、事業戦略説明会を開催した。説明会には、SolarWinds代表取締役社長兼CEOのスダカー・ラマクリシュナ氏およびソーラーウインズ・ジャパン代表取締役社長の脇本亜紀氏が登壇した。

オブザーバビリティにフォーカスした新プラットフォームを開発中

初めに、スダカー氏がグローバルの事業戦略を説明した。同氏は、同社の成長を支える柱として、「インターナショナル」「エンタープライズの顧客」「データベース」を挙げた。それぞれの柱に対する取り組みについて、「2021年、インターナショナルな市場に対し、投資を行い、製品を投入してきた。中でも、日本は重要な市場と見なしている。また、企業の規模にかかわらず、製品とサポートを提供している。データベースビジネスは60億ドルの市場規模であり、さらに拡大している。われわれは、この市場に対し、幅広い製品を提供できる」と同氏は述べた。

  • SolarWinds 代表取締役社長 兼 CEO スダカー・ラマクリシュナ氏

そして、同氏は開発中の新たなプラットフォームについて、説明した。企業の環境は複雑になり、多様化が進んでいる一方で、ニーズを満たす形で、予算は増えていないという。こうした状況にある企業を支援するため、オブザーバビリティを提供するハイブリッドなプラットフォームを2022年中にリリースするという。

同社は現在、ネットワーク、システム、データベース、セキュリティ、アプリケーション、ITSMをモニタリングする製品を提供しているが、新たなプラットフォームでは、「自動化、設定・構築」「観測」「可視化、通知」「対策、復旧」というサイクルによって、オブザーバビリティを実現する。

スダカー氏は、競合製品に対する同社の優位性について、「IT管理製品においては、ログ、トレース、メトリックス(評価項目)に目が向きがちで、オブザーバビリティ、可視化、対策復旧が含まれていない。しかし、われわれは包括的な立場で、すべてを包含したソリューションを提供できる」と強調した。なお、Orionプラットフォームについても、、拡張したい場合の選択肢も提供していくという。

  • 2022年にリリースが予定されている新たなプラットフォームの概要

MSP、SIer向けのパートナープログラムを展開

日本市場における戦略については、脇本氏が説明を行った。同氏は、同社の強みとして、「さまざまな監視を単一のプラットフォームで行える」「オンプレミスとクラウドを一元的に監視できる」「ユーザー会『THWACK』」を挙げた。

  • ソーラーウインズ・ジャパン 代表取締役社長 脇本亜紀氏

脇本氏は、企業では監視ツールのサイロ化が起きており、その結果、ROIが低下し、障害発生時の解決に時間がかかっているが、「われわれはプラットフォームというアプローチをとっており、Orionプラットフォームでは、さまざまな項目を監視できる。これが大きなバリューとなって、顧客の生産性向上に貢献できる」と語った。

また、企業ではクラウドへのシフトが進んでいるが、「オンプレとクラウドを分けて監視すると、さらにサイロ化が進む。同一のプラットフォームおよび管理画面で、オンプレミスとクラウドを監視できる。これをアピールしていきたい」と、脇本氏はハイブリッド環境への対応をアピールした。

脇本氏は、日本市場向けの戦略の柱として、「ハイタッチ営業」「パートナー戦略」「認知度向上」「組織の強化」を挙げた。外資のITベンダーは基本的にパートナービジネスに力を入れているが、同社は日本市場に合ったパートナー戦略をとるため、パートナープログラムを刷新するという。

具体的には、MSPやSIer向けのプログラムを展開するとともに、組み込み型ビジネスを強化する。また、データベース管理製品および可視化製品への投資の一貫として、専任の製品営業、SE、サポートリソースの採用を計画しているという。

  • 日本市場における戦略の柱