IDC Japanは9月22日、国内企業/組織におけるITインフラ導入の意思決定やITインフラ導入のプロセスに関与する473人を対象に7月に実施した、国内ハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)利用動向調査結果を発表した。
本調査によると、HCIの利用率は25.6%となりアーリーマジョリティへの普及が続き、今後HCIの利用意向を示す回答者は70.0%と今後の利用意向も高かった。HCIの利用理由は、ビジネスニーズに対応できる俊敏性の向上、パフォーマンスの向上、ハイブリッドクラウドの実現が上位となっている。
HCIの製品ベンダー選定の際には、ハイブリッドクラウドの実現、システムインテグレーションや運用の能力を最も重視するという回答が多い。部門/役職別ではCIO層がこれらの基準を重視する割合が高く、加えてCIO層ではDXやビジネス変革を支援する能力やエッジコンピューティングについても重視している。
HCIの購入先に対する要望については、最適なHCIの見極めとハードウェアとソフトウェアを統合した保守サービスの提供が上位。ハードウェアベンダーにはHCIの運用代行と、HCI以外も含めたITインフラの運用管理サービスや設計能力の強化、取引関係のあるシステムインテグレーターにはHCIの構築スキルの向上も求められている。
IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャのシニアマーケットアナリスト 宝出幸久氏は、次のように分析している。「HCIは、既存のITインフラを刷新するのみならず、DXを推進するためのITインフラ変革を実現するソリューションとして、運用管理の自律化やハイブリッド化するITインフラストラクチャの最適化といった機能強化に対する期待が高い」