米Lam Researchは、オレゴン州テュアラティン(Tualatin)の製造拠点に加え、同州シャーウッド(Sherwood)に4万5000ft2の新製造拠点を2021年12月に開設することを発表した。
テュアラティン工場は、もとはOKIの半導体工場であったがOKIの半導体製造からの撤退に伴いLam Researchが買収した経緯がある。同工場は52エーカーのキャンパスで、過去18か月の間に1000人の従業員を増員。現在の従業員数は4000名規模となっているが、古い施設を最大限に活用してきたものの、さすがに手狭になったため、隣接のシャーウッドに新たな拠点設置を決めた模様である。この新施設は、同社にとって米国で5番目の製造拠点となり、増大する顧客の需要に対応する生産能力をさらに強化する施策の一環だとしており、すでに約300名規模の人材募集も進めているとしている。
オレゴン州には、Intel最大級の研究試作拠点と量産工場があり、Intelがオレゴン州の最大企業となっている。このIntelの拠点では、「Intel 4プロセス」(旧7nmプロセスのEUV適用版)を用いたCPU/GPUの試作・量産に向けた準備が進められており、今後、大量の半導体製造装置が導入される見込みとなっている。また、TSMCやSamsung、GlobalFoundriesも米国内に半導体工場の新設・増設の動きを見せていることから、Lam Researchでは、オレゴン州での生産能力を増加させることを決めたようである。
なお、Lam Researchは、米国カリフォルニア州、オレゴン州のほか、韓国、台湾、マレーシア、オーストリア(旧SEZの施設)に製造工場を持っており、各国・地域の半導体量産工場に密接する体制を敷いている。
ちなみに同社は9月13日(米国時間)に、1万台目に当たる枚葉スピン洗浄装置の出荷を行ったことも発表している。同社が2008年に買収した洗浄装置メーカーSEZ(オーストリア)が、1991年に初めてシングルチャンバ製品「SP100」を出荷して以降、30年を経て、世界でもっとも先進的な半導体工場に16チャンバ搭載の洗浄装置を1万台目として出荷したという。
1号機のSP100より独自のベルヌーイ裏面非接触吸着技術を導入し、ウェハ表面を乾燥/保護したまま、ウェハ裏面をウェットケミストリで処理することを可能としていたが、この技術は現在もEOSGS Lシリーズ製品に継承されている。
なお、ウェハ洗浄装置の市場シェアを見ると、1位はSCREENホールディングス、2位は東京エレクトロンで、Lam Researchは3位の韓EMES(Samsung子会社)と僅差の4位となっているという。