KMバイオロジクスは9月21日、開発中の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)向け不活化ワクチン「KD-414」を用いて2021年3月より開始した国内第I/II相臨床試験結果を公表した。
同試験はKD-414の安全性および免疫原性の評価を目的に行われたもの。国内の20歳以上65歳未満の健康成人105名および65歳以上の健康な高齢者105名を対象に、高用量群、中用量群、低容量群、プラセボ群に分け、2回(1回あたり0.5mL)、27日間隔で筋肉内接種を行う形で実施された。
その結果、安全性としては成人ならびに高齢者ともに、すべての用量群で忍容性が確認されたとする。また、2回目接種28日後までに生じた副反応としては、接種ブイの疼痛などは認められたものの、日常生活に支障がある重度の副反応は、回復性の発熱が1件あったのみであり、一般的な不活化ワクチンの想定を超えるものではなかったとしている。
さらに、免疫原性としては高用量群がもっとも高い中和抗体陽転率ならびに中和抗体価が認められ、一定の有効性が期待できる結果が得られたほか、それらの値は年齢が若くなるほど高くなる傾向が認められたともしている。
なお、今回の結果を踏まえ同社では、速やかに最終段階の臨床試験の開始に向け、準備を進めていくとしているほか、幼児や小児、妊婦などでも接種可能なワクチン開発や、デルタ株などの変異株に対するKD-414の薬効評価の実施なども進めていくとしている。
また、生産体制についても、2022年4月には整備できる見通しで、当初の2023年度の実用化から、2022年度中に前倒ししていくとしている。