ブランドコンサルタントのFuture Brandが発表した企業ブランドランキング「FutureBrand Index 2021」によると、半導体露光装置メーカーの蘭ASMLが初めてトップに立ったという。2020年トップのAppleは2位に後退。ASMLは2020年の8位から一気に順位を高めた格好である。
また、半導体企業としては、TSMCが2020年版の25位から順位を大きく上げて6位に入ったほか、Intelは、2020年の21位から15位へと上げた一方、Samsung Electronicsは2020年の3位から13位へと大きく後退する結果となった。
FutureBrand Index 2021の上位15社は以下の通り。
- ASML (2020年は8位)
- Apple (同1位)
- Prosus (同11位)
- Danaher (同16位)
- NextEra Energy (同13位)
- TSMC (同25位)
- Kweichow Moutai (同5位)
- Ping An Insurance (同15位)
- Reliance Industries (同2位)
- Microsoft (同7位)
- Amazon (同24位)
- トヨタ自動車 (同14位)
- Samsung Electronics(同3位)
- Tesla (同23位)
- Intel (同21位)
なお、FutureBrand Index 2021の調査は2021年7月基準のグローバル時価総額上位100社について、企業の目的(将来性)と過去の認知度(実績)を評価した形となっている。具体的な評価項目は、製品やサービスの優位性、製品やサービスの革新性、信頼性、資源管理、顧客のブランド依存度、ライバルとの差異化、リーダーシップ、パーソナリティ、成長ストーリー、一貫性、人的資源、市場評判、健康志向、生活向上度など18項目に及ぶという。
ちなみに16位から100位までの企業のうち半導体関連企業としては、以下の4社が含まれている。
- 22位:NVIDIA (同4位)
- 74位:Qualcomm (同66位)
- 84位:Broadcom (同43位)
- 99位:Texas Instruments (同95位)
また、日本企業としては、12位のトヨタのほかに、以下の2社が含まれる。
- 27位:ソニー (同100位圏外)
- 79位:ソフトバンク (同100位圏外)
2020年まで100位以内に入っていたNTTおよびNTTドコモは、100位圏外へと消えている。
FutureBrandによると、TSMCは18項目中15項目でSamsungより優位に立ったという。また、この評価が始まった2014年以降、Samsungがトップ10から外れたのは今回が初めてだという。Samsungは、調査開始年の2014年に5位を獲得、その後も2016年は3位、2018年は9位、2020年は3位と、トップ10常連であったが、今回、一気に順位を下げることとなった。今後の成長性に関して、多くの調査対象者がTSMCに軍配を上げたことも要因の1つと見られる。
なお、ASMLが世界の企業ブランド力が1位になったのは注目されるべきことであると思われる。半導体製造用のEUV露光装置は、同社のシェア100%、つまり一社独占で、半導体メーカー各社が我先に入手しようとしており、製造が追いついていない状況にある。そんな同社は、ほとんどすべての評価項目で高得点を得た結果、1位を獲得したという。