2021年9月21日は中秋の名月と満月が重なる日であった。
中秋の名月とは、旧暦(太陽太陰暦)の8月15日の夜に見える月のことをいい、月は新月から満月になるまでの周期が一定ではないため、必ずしも満月と中秋の名月が重なるとは限らない。そのため2021年は8年ぶりに満月の中秋の名月を見ることができる日だった。
そんな好機に東京・池袋のSKY CIRCUS サンシャイン60展望台では、「中秋の名月鑑賞会」が開催された。
東京の街が一望できる同展望台は、夜景観光コンベンション・ビューローが選出する「日本百名月」にも選ばれているのだそうだ。
今回の鑑賞会では、天体望遠鏡を用いて、月をモニターへ映し出して鑑賞するほか、星空写真家の成澤広幸氏による月の撮影のコツといったレクチャーも行われた。
雲が出ていたため、月が姿を現すか心配だったものの、18時10分ころに月が出始めると、鑑賞会の参加者たちが一斉に月を撮影したり、感嘆の声をあげる様子が見られた。
同展望台からは、東京スカイツリーと満月のコレボレーションも見ることができた。
鑑賞会の参加者は、一眼レフやミラーレス一眼カメラで撮影を行う方も多かったのだが、スマートフォンで撮影を行う方の姿もしばしば見られた。
筆者も経験があるのだが、スマートフォンで撮影すると、月が白く飛んでしまい、綺麗に写真撮影ができないということもあるだろう。
前出の成澤氏は鑑賞会の中で、スマートフォンを用いて月を撮影する際のコツを教えてくれた。 それは、「AE/AFロック」を使うことだという。AE/AFロックは明るさとピントを固定し、そこから自由に明るさを調整できるという機能だ。 この機能を用いることで月は明るく、周囲は暗く撮影することが可能となるという。
AE/AFロックを使用した際には月の形を綺麗に撮影できているのがわかるだろう。
撮影方法は、まず照明など明るいものにスマートフォンのカメラを向け、iPhoneの場合は画面を長押しして、明るさを固定(AEロック)をする。すると、以下の写真のように「AE/AFロック」という表示が出てくるので その表示が出たまま、カメラを月に向け、画面をスワイプすることでさらに明るさ・暗さを調整して撮影するというものだ。
Androidの場合も、端末にもよるが画面タップや設定メニューからAE/AFロックにあたる機能が使用可能なようだ。
成澤氏が教えてくれたこの方法を用いれば、手元にカメラがなくとも月の撮影を楽しむことができるだろう。
なお、冒頭に2021年は8年ぶりに満月と中秋の名月が重なる日だとお伝えしたが、2022年、2023年も満月の中秋の名月を見ることができる予定となっている。 今年見逃した方や、撮り逃した方は来年・再来年にもチャンスがある。